㈱ジェイテクトは6月23日、電気自動車(EV車)やハイブリッド車(HV車)の駆動モータ用軸受の内部に電流が通過することで発生する電食を防止する軸受を開発したと発表した。
軸受の電食とは、回転中のベアリング内部を電流が通過したとき、スパークが発生し、接触部の表面が溶融する損傷。EV車、HV車の普及に伴い、駆動モータをサポートする軸受内部に電流が通過することによる電食の発生が懸念されている。軸受に電食が起こると、軸受の軌道に電食痕が生じ、自動車走行時の異音や振動、また軸受早期損傷に繋がり、ユニット機能に影響を及ぼす。電食を防止する為、一般的には優れた絶縁性能を持つセラミックボールを用いた軸受が使用されますが、コストが高いという課題があった。
開発品は、通常の軸受鋼の外輪外径、外輪端面に特殊なコーティングを施すことにより、軸受に絶縁機能を持たせ、電食の発生を防止することに成功した。従来品に対して、安価且つメンテナンスフリーな新技術で、幅広いEV車・HV車への搭載を目指す。
<販売計画>
量産開始:2024年
売上目標:11億円/年
販売先:国内外自動車メーカー、モータメーカー
製造工場(玉軸受量産工場):亀山工場、四国工場、ダイベア(ジェイテクトグループ会社)など