NTNが6月17日に発表した2020年3月期(2019年度)連結業績によると、売上高は、651,495百万円(前期比11.2%減)となった。損益については、営業利益は7,056百万円(同73.8%減)、経常損失は1,698百万円(前期は経常利益22,231百万円)となった。なお、特別利益として投資有価証券売却益1,353百万円など1,980百万円、特別損失として減損損失29,001百万円など34,231百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は43,992百万円(前期は当期純損失6,958百万円)となった。(数値表記は原文尊重)
■経営成績の概況
2019年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかに回復したが、輸出を中心に弱さが続き、米国経済は、米中間の通商問題を巡る緊張の増大などの影響を受け、欧州経済は、英国のEU離脱の問題などによって弱さがみられた。アジア他では、中国経済は、米国との貿易摩擦などの影響により景気は緩やかに減速し、その他新興国経済も弱い動きがみられた。これらの状況に加え、いずれの地域も当下期終盤において新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動が急激に収縮した。
このような環境のもと、NTNグループは2018年4月にスタートした3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」において、最新デジタル技術とNTNグループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図っている。これらの実現のための諸施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてきたが、2019年度の業績は前期の水準に至らなかった。
■セグメント業績
<日本>
販売については、補修市場向けは産業機械補修向けで減少した。産業機械市場向けは建設機械向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少した。この結果、売上高は329,097百万円(前期比6.8%減)。セグメント損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより1,282百万円のセグメント損失(前期は681百万円のセグメント利益)となった。
<米州>
販売については、補修市場向けは産業機械補修向けで減少した。産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少した。この結果、売上高は171,072百万円(前期比13.7%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより6,438百万円のセグメント損失(前期は4,344百万円のセグメント利益)となった。
<欧州>
販売については、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも減少した。産業機械市場向けは風力発電向けや変減速機向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少した。この結果、売上高は155,640百万円(前期比15.4%減)となった。セグメント損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより402百万円のセグメント利益(前期比57.9%減)となった。
<アジア他>
販売については、補修市場向けは産業機械補修向けで増加した。産業機械市場向けは風力発電向けで増加したが、建設機械向けなどで減少し、全般的に減少した。自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少した。全体としては、売上高は134,929百万円(前期比13.3%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより11,418百万円のセグメント利益(前期比33.7%減)となった。
■事業別業績
<補修市場向け>
客先需要の低減などにより売上高は109,416百万円(前期比7.9%減)となった。営業損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより12,738百万円の営業利益(前期比16.1%減)となった。
<産業機械市場向け>
建設機械向けの減少などにより売上高は105,071百万円(前期比14.9%減)となった。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより2,001百万円の営業損失(前期は3,106百万円の営業利益)となった。
<自動車市場向け>
客先需要の低減などにより売上高は437,006百万円(前期比11.1%減)となった。営業損益は固定費の減少などはあったが、販売規模の減少などにより3,680百万円の営業損失(前期は8,655百万円の営業利益)となった。
■次期見通し
2021年3月期の連結業績予想については、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大などによる業績への影響を合理的に想定する事が困難であるため、現時点では未定としている。今後、開示が可能となった時点で、速やかに開示する。
決算説明会資料(6月19日追加)
コメントを投稿するにはログインしてください。