建設機械工業会、住友建機の数見社長が新会長に就任、コロナ対策で会見行わず

 日本建設機械工業(建機工)は6月8日、5月28日に行われた定時総会その後の理事会において、新会長に住友建機株式会社の数見保暢(かずみやすのぶ)社長が就任したと発表した。コマツ社長の小川啓之(おがわひろゆき)前会長からバトンを引き継いだ。建機工会長は、発足当初からコマツ、日立建機、コベルコ建機(神戸製鋼所)、現在のキャタピラージャパンといった主要各社が2年に一度持ち回りが慣例だったが、30年が経過するなか、外資100%会社の誕生や、個別企業の諸事情など業界を取り巻く環境も大きく変わった。住友建機は親会社の住友重機械工業含めて初の会長会社となる。なお、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、総会・理事会は書面で行われ、会長就任記者会見も行わないことにしていた。

 以下、挨拶分原文

就任ご挨拶

 令和2年5月28日開催の定時総会その後の理事会において、令和2年度、3年度の会長に選任されました数見です。

 新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、会長就任記者会見を行なわないことと致しました。

 誠に申し訳ありませんが、書面にて就任のご挨拶をさせて頂きます。

 昨年以降、世界経済の先行き不透明感が続くなか、日本では大型台風の被害などにより建設機械業界は大きな打撃を受けました。さらに年明けから世界的に新型コロナウイルスよ感染症拡大という難局に直面し、足元の世界経済は著しく縮小し大変厳しい状況にあります。このような局面において会長職に就任することとなり、まさに身の引き締まる思いであります。前小川会長はじめ歴代会長が残された功績により、今年度創設30周年を迎えることができました。この大きな節目を記念し工業会は、今回の定時総会では各種イベントを実施するべく準備を進めて参りました。しかしこのような状況下、書面での総会ならびに理事会開催となりましたので、本年度開予定しています工業会行事のどこかで、準備していました企画を実現させたいと考えています。正会員、賛助会員の皆様には、引き続き支援頂きたく宜しくお願い申し上げます。

 さて現在は、世界中で新型コロナウイルス感染拡大が実体経済へ大きな影響を及ぼしています。まずはこの難局対応が喫緊の課題です。会員各社が感染防止対策を実施しながら、お客様が必要とする製品や整備というご要望にしっかり対応し、経済活動の早期回復に寄与することが当面の建設機械工業界の使命と考えています。

 中長期的には、工業会の設立理念である「調和と発展による世界への貢献」ならび「共生と競争」のもと、①東日本大震災をはじめとする地震や豪雨による自然災害からの復興への貢献、②環境・省エネルギーに対する対応、③会員各社のグローバル展開支援、④ii–ConstructionConstructionなど新しい技術への対応を重要な活動分野として引き続き取り組み、世界中で持続可能な社会の実現に寄与したいと思います。

 新型コロナウイルス感染防止対策では、在宅勤務や通信網を活用した会議開催など、働き方改革の一端を身をもって体験したことはひとつの収穫です。これらの貴重な経験や機会を活用、発展させ、多用で柔軟性ある働き方を進めることも生産性の向上やワークライフバランスの実現に重要な活動と考えています。業会としましても新しい活動の仕方を考え、変革して参りたいと思います。また社会からの要請としまして法令順守の事業活動がより重要視されるように変化してきているとの認識です。会員各社の事業活動と工業会活動が健全に発展できますよう、関連行政当局のご指導を仰ぎながら工業会の運営にあたりたく存じます。

 令和2年6月8日

 一般社団法人 日本建設機械工業会

 会長 数見 保暢

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 退任ご挨拶

 時下 、 ますます ご清祥のこととお喜び申し上げます。

 平素より本建機工の運営におきまして特段のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、この度日本建設機械工業会会長を退任致しましたので、ご報告と御礼を申し上げます。

 昨年5 月に前会長の任期を引き継ぎ、 会長に就任してから1年間、皆さまの多大なるご支援、ご協力を賜り、微力ではありますが、建機工会長として職務を果たすことができました ことに感謝申し上げます 。

 この1年を振り返ると、米中貿易摩擦、保護主義の拡大、英国の EU 離脱、自然災害の増大、そして新型コロナウイルス感染拡大等、我々の企業活動に大きな影響を及ぼす出来事 により、 日本を含め世界の建設機械市場は、今後、不確実で不透明な状況が続くことが予想されます。

 このような厳しい市場環境の中、今年建機工は設立30周年の節目を迎え新たなステージへと 進んでいくことになりますが、設立理念である 「調和と発展による世界への貢献」ならびに「共生と競争」のもと、特に重要な活動分野として掲げている ①東日本大震災をはじめとする地震や豪雨による自然災害からの復興への貢献、②環境・省エネルギーに対する対応、③会員各社のグローバル展開支援、④ i Construction など新しい技術への対応につき、取り組みを継続頂きたく存じます。

 また、建機工設立30周年を迎えるにあたり企画・推進してきました業界全体のイメージアップにつきましては、この業界に若い人材や女性を取り込みダイバーシティを推進する上でも、非常に重要な活動ですので、こちらも継続して取り組みをお願いします。

 今後は副会長の立場で、数見新会長を支援し、建設機械産業の更なる発展と持続可能な 社会の実現に向けて貢献してまいります。

 建設機械工業会に対し、引き続き皆様方のご支援、ご協力を賜りますことをお願いし、退任の挨拶とさせていただきます。

 コマツ

 代表取締役社長(兼)CEO

 小川 啓之

 日本建設機械工業会の新旧会長の挨拶(2020年6月8日)