川崎重工、人共存型双腕スカラロボットによる自動検温システムをカワサキワールドに設置

   川崎重工業は6月2日、神戸海洋博物館/カワサキワールドに、同社の人共存型双腕スカラロボット「duAro2」(デュアロ・ツー)による自動検温システムを新たに開発し、設置したと発表した。

 神戸海洋博物館/カワサキワールドは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月2日より休館していたが、6月2日の営業再開にあたり、来館者・運営スタッフの安全確保のため、すべての来館者に検温を実施する。

 設置したシステムは、双腕ロボットの右手に非接触型の温度センサーを取り付け、検温エリアに入った来館者がセンサーに額を近づけ、測定開始センサーの上に手を近づけると検温を開始する。

 体温が規定以下の場合は、入館可能の合図として左手で保持したバーが開いて入場できる。体温が規定以上の場合は、バーが開かず、係員を呼ぶ仕組みになっている。すべての作業は、センサーで感知して行い、係員と来館者が接触することがないため、新型コロナウイルスの感染防止に寄与する。

 検温に使われる「duAro2」を含む「duAro」シリーズは、人との共存・協働作業が可能なロボットで、簡単にダイレクトティーチングが可能で実用性が高く様々な場面や作業において活用されている。また、アーム部分に柔らかな表面素材を使っているほか、万が一、動作中に人と接触しても衝突を検知して停止し、安全性にも配慮している。

 新型コロナウイルス発生後の社会では、人との接触を減らすことも必要となり、今後ますますロボットが果たす役割は大きくなると考えられる。

 川崎重工は、同社が保有するロボット技術や多彩な事業部門の技術シナジーを活かして、今回の自動検温システムによる感染防止対策などの医療分野をはじめ、各分野での社会課題の解決に取り組んでいく。

<カワサキワールドについて>

 カワサキワールドは、神戸海洋博物館内にある川崎重工グループの企業ミュージアム。2006年5月17日に開館し、同社グループの代表的な製品を「見て、触れて、楽しく学びかつ遊びながら『技術のすばらしさ』と『ものづくりの面白さ』を実感していただく」ことを目指している。

<人共存型双腕スカラロボット「duAro」について>

 同社初の人共存型双腕スカラロボットとして誕生した「duAro」シリーズは、人の両腕の動きをそのまま再現でき、人が行う作業を人一人分のスペースで簡単に置き換えることができる。使い易さを徹底的に追い求め、教示を簡単にして実用性を高めたほか、オプションでアーム本体とコントローラを分離することも可能なため、現場のレイアウトにより適した形で導入できる。さらに、衝突検知機能などの安全機能を装備しており、作業者のすぐ横に設置しても安心して共存作業を行える。準備時間や生産量の変動などで自動化が難しいと考えられてきた電気・電子業界、食品業界などの分野の自動化に貢献している。

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