古河機械金属、2019年度の機械部門売上は6.6%増の827億円(更新:説明資料追加)

 古河機械金属が5月7日に発表した2020年3月期(2019年度)連結業績によると、売上高は、1,652億1,500万円(前期比5.1%減)、営業利益は、86億9,300万円(前期比2.5%減)となった。うち、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、826億9,100万円(同6.6%増)、営業利益は、73億4,300万円(同11.8%増)となった。

 素材事業では、化成品部門は、増収増益となったが、金属、電子部門の減収減益により、全体では減収減益となった。また、不動産事業は、減収減益となった。

 経常利益は、81億3,500万円(前期比1億円減)、特別利益に古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却益5億8,300万円ほかを計上し、また、特別損失に投資有価証券評価損10億2,900万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、44億3,100万円(同4.8%減)となった。

■経営成績の概況

 2019年度は、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速など、海外情勢の先行き不透明感を背景とする海外需要の低迷に加え、相次ぐ大規模自然災害や消費税率引上げの影響が懸念されたが、人手不足や働き方改革対応のための省力化・情報化投資、老朽化設備の維持更新投資のほか、公共投資も堅調で、我が国経済は、総じて緩やかな回復が続いた。一方で、景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大の影響が世界経済に与える影響など、不透明感が高まる状況となった。

 古河機械金属2020年3月期(機械部門)データ

■機械3部門の概況

<産業機械>

 マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上を計上し、増収となった。また、大型プロジェクト案件では、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤ、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ等について出来高に対応した売上を計上し、増収となった。

 産業機械部門の売上高は、232億3,700万円(前期比29.3%増)、営業利益は、32億800万円(同53.6%増)となった。

<ロックドリル>

 国内では、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持した。トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事、中部横断自動車道工事向けの出荷があったが、熊本地震復旧・復興工事向けなどの出荷があった前期と比べ減少し、減収となった。海外では、油圧クローラドリルの出荷が、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少し、また、その他の地域は、市況悪化により総じて振るわず、減収となった。

 ロックドリル部門の売上高は、276億6,300万円(同8.9%減)、営業利益は、1億4,200万円(同91.6%減)となった。

<ユニック>

 国内では、主力製品であるユニッククレーンは、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増、昨年9月の小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要のほか、大手レンタル向けの出荷も好調で、増収となった。海外では、ユニッククレーンは、主として東南アジア諸国での景気減速傾向が強まっており、出荷は減少し、減収となった。

 ユニック部門の売上高は、317億9,100万円(同8.7%増)、営業利益は、39億9,200万円(同43.1%増)となった。

■次期見通し

 2021年3月期(2020年度)の連結業績予想については、感染症のまん延等の不可抗力で経営成績等に影響を及ぼす可能性が懸念され、その影響を現時点で合理的に算定することが困難であることから未定。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

 古河機械金属の2020年3月期決算短信

 説明資料と中期経営計画(5月25日追加)