オカダアイヨン、2019年度売上は0.5%増の約180億円(更新:説明資料追加)

 オカダアイヨンが5月13日に発表した2020年3月期(2019年度)連結業績によると、売上高は17,957百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益1,368百万円(同10.2%減)、経常利益1,347百万円(同13.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は884百万円(同比11.6%減)となった。(数値表記は原文を尊重しています)

■経営成績の概況

 2019年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くものの、個人消費は消費増税による影響が顕在化し、鉱工業生産も消費増税やグローバルな需要減退による輸出の減少などから弱含みの動きとなった。また、世界経済は米中通商問題や英国EU離脱問題等を抱えながらも、先進国の堅調な個人消費等を背景に全体として緩やかな成長が継続した。一方で、年度後半から新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内外の景況感は減退し先行き不透明感が急速に高まる状況となった。このような環境のもとでオカダアイヨングループは、主力製品の圧砕機、油圧ブレーカ等の解体用アタッチメント、林業機械、環境関連機器等の販売に注力した。

 オカダアイヨン2019年度データ

■セグメント別業績

 国内セグメントは、売上高12,418百万円(前年同期比3.5%増)となった。機種別には、主力の圧砕機は堅調な再開発・建替え需要のもと受注状況は不悪ながら、10月の台風被害による各社のショベル出荷減による納期ずれの影響がカバーしきれずに売上高は6,055百万円(同4.0%減)となった。

 一方、環境関連機器は大型木材破砕機等が順調に納入した結果、売上高は1,549百万円(同10.5%増)、油圧ブレーカ売上高は870百万円(同3.7%増)となった。また、木造解体や災害復興処理等様々な用途で使用されるつかみ機は需要が高まり売上高890百万円(同50.5%増)と大幅増加となった。

 一方、アフタービジネスについては、原材料売上高が1,330百万円(同13.1%増)、修理売上高は833百万円(同1.1%減)と特に補修部品売上が増加した。その結果、セグメント利益は1,004百万円(前年同期比2.3%増)となった。

 海外セグメントは、売上高2,985百万円(同2.5%減)となった。主力地域の北米では、価格競争等で一時苦戦したものの、圧砕機等の商材の拡大や営業プロモーションの強化策が奏功し売上高2,153百万円(同4.0%増)と増収を確保した。2020年1月より現地法人化した欧州に関しても、順調に販売網を拡大した結果、決算期の関係で10ケ月決算となったにもかかわらず売上高361百万円(同22.8%増)と大幅増収となった。一方でアジア地域はタイの駐在員事務所を設置する等将来に向けた展開を行ったものの、景況感の悪化により価格競争が激化し売上高411百万円(同35.2%減)と大幅な減収となった。その結果、セグメント利益は拠点展開の経費増も影響し308百万円(同22.1%減)となった。

 なお、海外セグメントにおける2019年度は以下の通り。(北米:2019年2月1日から2020年1月31日、欧州:2019年4月1日から2020年1月31日、アジアを含むその他地域:2019年4月1日から2020年3月31日)

 南星セグメントは、売上高2,554百万円(同9.0%減)となった。グループ内の製造協力や販売協力による協業体制の強化、主力のグラップル・ウインチの新型モデルの投入、機会損失を抑えるための計画生産導入等の施策も行ったが、施策浸透の遅れやショベル出荷減による納期ずれの影響により売上減となった。セグメント利益は、当初からの予定範囲内ではあるものの、処遇改善による人件費等の経費増加要因を売上増でカバーする事ができず89百万円(同54.3%減)となった。

■次期の見通し

 次期の見通しについては、国内外の政治リスクや地政学リスク等の懸念材料に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内外の経済活動が著しく制限されることにより、業界全体においても相当な影響が予想される。一方では、国土強靭化計画に基づく全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏を中心とした都市再開発、災害復興工事や耐震・防災構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化等、国土のレジリエンスに貢献する幅広い分野での需要が、引き続き期待できるものと想定される。

 このような環境のもと、オカダアイヨングループは、従業員及び関係する皆様方の安全を最優先とし、行政の指導に従いながら新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めつつ、顧客需要に対応した安定的な商品供給とアフターサービスに心がけ社会的責任を果たしていく。さらには、コロナ影響の長期化と終息後の需要回復も念頭に置きながら、6カ年の中長期経営計画「アーチ2020作戦」の最終年度として、顧客ニーズに真摯に向き合うとともに社内体制の整備を図り、この難局に対処していく。

 なお、以上の状況を踏まえたうえで、現段階では、新型コロナウイルスの影響を織り込んだ合理的な業績予想の算出が困難であるため、2021年3月期の連結業績予想を未定とした。今後、業績への影響を見極め、合理的な予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する。

 オカダアイヨンの2020年3月期決算短信

 決算説明会資料(5月25日追加)