井関農機が5月15日に発表した2020年12月期第1四半期(1~3月)連結業績によると、売上高は前年同期比1,393百万円減少し、31,960百万円(前年同期比4.2%減)となった。(数値表記は原文尊重)
国内は、補修用部品および修理整備等のメンテ収入が堅調に推移したほか大型物件の完成のあった施設工事が増加となった一方、消費増税後の不透明な需 要環境に加え新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う展示会の中止など営業活動の自粛等により農機製品などが減少し、国内売上高は前年同期比326百万円減少の25,072百万円(前年同期比 1.3%減少)となった。
海外は、中国向けの田植機半製品の出荷増や韓国向けにトラク タの出荷が伸びた一方、堅調な需要が続いてきた北米で一部商品に搭載の仕入エンジンの入荷遅れが発生したことなどからトラクタ出荷が減少、欧州では為替影響に加え新型コロナウイルス感 染症対策として現地代理店店舗が一時閉鎖されたこともあり出荷調整を行い減少、アセアンはイ ンドネシア向けトラクタの出荷減少などにより、海外売上高は前年同期比1,066百万円減少の 6,887百万円(前年同期比13.4%減少)となった。
営業損益は、販管費の削減があったものの減収による粗利益減少に加え仕入エンジンの入荷遅れに伴う部品在庫の評価損の計上等により、1,105百万円の損失(前年同期は営業損失744百万円)となった。親会社株主に帰属する第1四半期純損益は、 465百万円の損失(前年同期は純損失456百万円)となった。
■経営成績に関する説明
第1四半期(1~3月)におけるわが国経済は、昨年10月の消費増税による個人消費の低迷 や製造業を中心とした企業業績が弱い動きとなっていたことに加え、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)拡大の影響により、急速に悪化している。海外についても、同感染症拡大に伴い 各国政府等による営業規制を含むロックダウンが広がるなど急速に悪化しており、世界経済全体 で総じて厳しい状況にある。井関農機グループは、国内においては顧客対応の充実など農業構造変化への 対応強化、海外においては主力市場である北米、欧州、中国、アセアンでの販売強化に努めてきた。
■商品別売上状況
〔国内〕 整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は5,734百万円(前年同期比14.9%減少)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は1,753百万円(前年同期比20.6%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は2,091百万円(前年同期比25.3%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は8,224百万円(前年同期比5.3%減少)、その他農業関連(施設工事など)は7,269百万円(前年同期比46.4 %増加)となった。
〔海外〕 整地用機械(トラクタなど)は4,889百万円(前年同期比18.3%減少)、栽培用機械(田植機など)は1,032百万円(前年同期比25.3%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は116百万円 (前年同期比12.8%減少)、作業機・補修用部品は655百万円(前年同期比7.1%減少)、その他農業関連は194百万円(前年同期比37.0%減少)となった
■2020年12月期業績予想は一旦取り下げ
連結業績予想については、引き続き「激変する国内農業への対応強化」「海外事業の拡大」等、対処すべき課題を着実に実行するが、新型コロナウイ ルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、国内外で事業活動に様々な制約が出ている。
販売面では、 国内販売会社における展示会の中止をはじめ営業活動自粛、ロックダウンを受けた海外代理店店舗の一時閉鎖や外出規制による営業活動の制約等により、国内外での売上の低下が懸念される。生産面では、国内外ともにサプライチェーンの停滞による生産減少等のリスクが内在し ている。
以上のことから今後の業績予想の算定が困難なため、2020年2月14日に発表した2020年12月期の業績予想および配当予想を一旦取り下げ、未定とした。今後、同感染症の動向を見極めながら、業績予想の算定が可能となった 段階で改めて公表する。
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