・新型コロナ影響で、連結業績予想は一旦取り下げ
㈱クボタが5月12日に発表した2020年12月期第1四半期(1~3月)連結業績によると、売上高は前年同期比412 億円(8.6%)減少して4,395 億円となった。うち国内売上高は官公需関連を中心とする水・環境部門が前年をわずかに上回ったが、機械部門が農業機械などを中心に減少したため、前年同期比59 億円(3.8%)減の1,500 億円。海外売上高は水・環境部門が減少したほか、建設機械、トラクタ、エンジンも減少したため、全体では前年同期比352 億円(10.9%)減の2,895 億円となった。
営業利益は国内外での減収に加え、2019 年第4 四半期の大幅な減産に伴い、当期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が悪化したことなどにより前年同期比224 億円(42.4%)減の305 億円。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を165 億円(44.3%)下回る208 億円となった。
■部門別の概況
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前年同期比10.3%減少して3,469 億円となり、売上高全体の78.9%を占めた。
国内売上高は前年同期比8.0%減の663 億円。消費増税の反動減などにより農業機械や農業関連商品が減少した。
海外売上高は前年同期比10.8%減の2,806 億円となった。北米では、2018 年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が前々期から前期にずれ込んでいたことの反動により、建設機械が大幅に減少したほか、OEM 先の生産調整やオイル・ガス市況の悪化などにより、エンジンも前年を下回った。
欧州では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うディーラーの営業停止の影響などにより、トラクタが大幅に減少した。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM 先の生産停止や減産の影響により、エンジンも大幅に減少した。
アジアでは、タイのトラクタが昨年から続く水不足の影響で減少したほか、中国の建設機械が新型コロナウイルス感染拡大に伴う建設工事の停滞により減少した。
セグメント利益は国内外での減収の影響や、当期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益悪化などにより、前年同期比40.8%減少して305 億円となった。
<水・環境部門>
同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成。
売上高は前年同期比1.3%減少して849 億円となり、売上高全体の19.3%を占めた。
国内売上高は前年同期比0.2%増の760 億円。パイプインフラ関連製品はダクタイル鉄管や工事事業が伸長した。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設に伴う売上などが減少した。
海外売上高は前年同期比13.1%減の89 億円。工事事業や膜システムの売上が減少した。
セグメント利益はプラント建設コストの増加などにより前年同期比11.6%減少して83億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比4.2%減の78 億円となり、売上高全体の1.8%を占めた。セグメント利益は前年同期比6.4%減少して10 億円となった。
■2020年12月期の連結業績予想は一旦取り下げ
新型コロナウイルスの感染拡大により各地域での生産、販売活動に影響が出ているほか、今後の需要動向についても不透明な状況。現時点では業績に影響を与える未確定な要素が多く、合理的な業績予想の算定が困難であるため、2020 年2 月14 日に発表した第2 四半期(累計)及び通期業績予想は一旦取り下げ、未定とした。今後、合理的な予想が可能となった時点で改めて開示する予定。
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