荏原製作所、ブラジルにポンプのアンテナショップをオープン

 ㈱荏原製作所は4月22日、グループ会社のEBARA Bombas América do Sul Ltda.(以下: EBAS社*1)は、4月22日にブラジル サンパウロ州北東部に位置するヴァルジェン・グランデ・ド・スー(以下: VGS)に、ポンプのアンテナショップ「ANTENNA SHOP」をオープンすると発表した。

1.背景と狙い

 国土が広いブラジルでは、販売店が各地域のエンドユーザにポンプを店頭販売するディストリビユーションビジネスが主流。EBAS社はブラジル全土をカバーする5,000社の販売店(農機具、管工機材、建築資材を扱う店舗やホームセンターなど)に標準ポンプを販売しているが、実際にポンプを使用しているエンドユーザとメーカ間に物理的な距離と商流上の距離がある。

 荏原はこの課題を解決し、長期ビジョン「E-Vision2030」に掲げるグローバル市場の戦略強化を推進するため、直営のアンテナショップを開設する。

 アンテナショップでは、新製品をはじめとする実機をご覧いただけるショールームを設置しており、顧客から製品やサービスへの要望、アフターサービスの相談を受けるなど、顧客と直接コミュニケーションを図ることで、地域社会のニーズに合った製品をいち早く市場投入することが可能となる。

2.アンテナショップの概要

 店舗面積80㎡の店内には、EBAS社が製造する全2,000種類の製品のうち、常時150台前後の製品が並ぶ。小型単段および小型多段ポンプなどEBAS社の代表的な製品のほか、新製品発表の場としてソーラーポンプ(太陽光発電で動作するポンプ)やスラリーポンプ(農地での堆肥散布用)などの最新機種を展示する。製品販売のほか、修理、灌漑システム、建築向け消火設備・給配水システム、工場用給配水ユーテリティポンプの技術相談窓口としても対応していく。

 また、EBAS社のVGS工場に勤務する従業員 約250名が年に1回ずつ店舗での販売体験を積むことにより、社員一人ひとりが製品知識、開発技術、サービスを総合的に高めていく。

3.今後の展開

 店舗に寄せられた顧客の声は、既存製品の改良や新製品の開発に反映し、顧客に実際に店舗で確認してもらうことが可能になる。また、技術的なサポートを直接行うことで顧客の課題を早期に解決することにより、直営店舗ならではの質の高いサービスと魅力ある製品を提供していく。こうした取り組みを通して、地域顧客との良好な関係の構築を図り、豊かな暮らしの向上へ貢献していく。

 荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていく。

*1: EBAS社は、1975年に荏原グループ初の海外生産拠点として創業したEbara Industrias Mecânicas e Comerico Ltda. (EIMCO社)が2015年に荏原が買収したThebe Bombas Hidáulicas S.A.(THEBE社)を吸収合併し、2018年にEBARA Bombas América do Sul Ltda.(EBAS社)として発足。旧THEBE社は陸上・水中ポンプの製造販売会社として1946年に創業し、その拠点であるVGSに標準ポンプと鋳物の2つの工場を持つ。

*2: COVID-19感染拡大防止策に関する対応として、サンパウロ州の政令(第64.864-2020号: サンパウロ州隔離政策として一般顧客を対面で対応する不要不急の商業・サービス業を規制。農業向け機械設備類の供給、建築・建設工事、産業活動等は規制対象から除外)に基づき、当初のオープン予定日(3月25日)を延長していたが、VGS市長の認可を得て、今回のオープンが決定した。今後の市場回復に早期に貢献できるよう努めていく。

 店舗の運営にあたっては、来店者および従業員の安全には最大限配慮し、ブラジル保健省が指導する消毒用アルコールゲルの設置と店員にはマスクの使用を義務づけている。また、混雑をさけるため、来店者には適切な距離の維持をお願いするなどの対応を取る。

 ニュースリリース