・インフラ事業を通じ同国の復興と発展に貢献
豊田通商は4月16日、エジプトのエンジニアリング会社ELSEWEDY Electric For Power System Projects(以下、エルスウェディ社)と共同で、イラク電力省より、同国における 固定式変電所1カ所の建設工事を受注したと発表した。受注額は約100億円で、日本政府が国際協力機構(JICA)を通じて、イラク復興支援の一環として実施する有償資金協力によって賄われる。完工は、2022年3月を予定している。
イラクでは、1日当たり約6時間の停電が発生するなど、電力の供給不足が常態化している。電力供給の安定化のために発電所の新設・改修が進められているが、発電量の増加に合わせて 変電設備の増設も急務となっている。
受注した事業は、イラクの首都バグダッドより南へ約120㎞に位置するバービル県のニューバービルに、400/132kV固定式変電所を建設するもの。豊田通商は、変電所の主要機器であるガス絶縁開閉装置(GIS)、変圧器を東芝エネルギーシステムズから調達し、エルスウェディ社は、設計、補機の 調達、建設工事を行う。変電所稼働による変電能力増強によって、人口約190万人を擁する バービル県一帯における電力供給の安定化に寄与する。
豊田通商は、1954年にバグダッドに事務所を開設。1970年代(旧トーメン時代:編者注)には、日本企業として初めてイラク電力省からガスタービン発電所建設契約を受注した。以降も、変電所の建設や港湾荷役機器、 しゅんせつ船の供給などの事業を展開し、イラクにおけるビジネス基盤を構築してきた。近年では、国際協力銀行(JBIC)によるイラク向け融資を利用した変電所建設プロジェクト(約600億円)を2017年3月に受注し、建設を進めている。
豊田通商は、イラクを重要市場のひとつと位置づけ、今後もイラクのインフラ整備に積極的に取り組み、 同国の復興と発展に貢献していく。
<事業概要>
所在地:イラク共和国 バービル県 ニューバービル
契約先:イラク電力省
契約概要:400/132kV 固定式変電所(1カ所) 建設請負
・変電所の設計および資機材調達
・変電所の現地建設工事
完工時期:2022年3月(予定)
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