月島機械は3月30日、長崎県大村市より、「大村浄水管理センター汚泥脱水機械設備改築工事」において、新型ベルトプレス脱水機を受注したと発表した。
ベルトプレス脱水機は、処理安定性が高く、難脱水汚泥(高VTS、低繊維状物)に対して薬品使用量が少ないという特徴があるが、脱水機本体は開放構造であるため防臭カバーが必要となり設置面積が大きくなること、洗浄水量が多いなどの課題があった。
月島機械では、ベルトプレス脱水機の前段に濃縮部を設け高濃度の濃縮汚泥を脱水機に供給することで、従来の脱水性能を維持したまま、ろ過速度を従来の1.5倍程度に増加させ小型化する新型ベルトプレス脱水機を開発し、このほど大村市より1号機を受注した。
一般的なベルトプレス脱水機は、重力ろ過ゾーンで汚泥を濃縮後に脱水するが、新型ベルトプレス脱水機は濃縮部と脱水部が独立していることから、それぞれの運転を最適化することでろ過速度は1.5倍程度に増加する。従って、ろ布幅3mのベルトプレス脱水機をろ布幅2mの新型ベルトプレス脱水機で代替できることとなり、脱水機の小型化が可能になる。
また、脱水汚泥含水率の低減には、高分子凝集剤を添加後にポリ鉄などの無機凝集剤を添加する後注入二液方式が有効ですが、難脱水性汚泥である消化汚泥を対象とする場合に消化汚泥はアルカリ度が高いため、無機凝集剤の消費量が多くなるという課題があった。新型ベルトプレス脱水機は、高分子凝集剤を添加し濃縮した汚泥に無機凝集剤(ポリ鉄)を後注入することで効率的に無機凝集剤を作用させ、少ない薬品量で脱水汚泥の含水率を低減することが可能になる。
月島機械は下水処理場における汚泥処理に強みをもち、汚泥脱水設備をはじめとして汚泥消化設備・消化ガス発電設備や汚泥焼却設備等の豊富な実績を有しております。今後も、汚泥処理設備の更新改築需要等に積極的に取り組み、下水道資源の有効利用、汚泥処理設備の省エネルギー化に貢献していく。
<案件概要>
発注者:長崎県大村市
工事名:大村浄水管理センター汚泥脱水機械設備改築工事
納入先:大村浄水管理センター
案件概要:新型ベルトプレス脱水機(ろ布幅2m×1 基)
工期:2021 年7 月(予定)
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