・人間拡張技術で人と建設機械の協調を高め、顧客企業の健康経営を支援
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)とコマツは共同で、2020年4月に、産総研情報・人間工学領域人間拡張研究センター内に「コマツ-産総研 Human Augmentation連携研究室」を設立すると発表した。
コマツと産総研は同研究室により、建設機械とそのオペレータの協調を高める人間拡張(Human Augmentation)技術の研究・開発を実施する。オペレータの安全性向上、疲労低減、さらには生産性向上を実現するとともに、それにより、オペレータ自身の達成感を引き出し、ひいてはワークエンゲージメントの向上につなげることができる技術の開発を目指す。
さらには、ワークエンゲージメントの向上が、オペレータを雇用する顧客企業にとっての効果的な健康経営につながるよう支援するサービスの構築までを視野に入れ、人間拡張技術の社会実装に向けて共同で取り組んでいく。
建設技術者の有効求人倍率は、最近では7倍を超え(厚生労働省「一般職業紹介状況」より)、建設業界ではますます、魅力的な職場環境を整備し、就業希望者をより多く集めるとともに、離職率を低減させるための方策が必要となっている。このような状況の中、オペレータの安全性の向上と健康維持、さらには生産性を大幅に改善・向上できる革新的技術の開発が求められている。研究室では、人間拡張技術にその解を求め、「人と建設機械の協調を高める技術」を開発し、建設機械のインタフェースからサービスシステム、さらには顧客企業の経営効果の検証までの一貫した研究・開発を行う。
コマツでは、2019年4月よりスタートした中期経営計画において、イノベーションによる価値創造として「ダントツバリュー:顧客価値創造を通じたESG課題の解決と収益向上」の実現を掲げている。また、産総研人間拡張研究センターは、大学、企業、公的機関と連携して「人に寄り添い、人を高める技術=人間拡張技術」を開発し、柏市柏の葉地区の地域実証環境などを活用してその社会実装を目指す研究組織として、2018年11月に設立された。
今回両者は、コマツが有する建設機械分野における設計・開発・ソリューション技術と、産総研が有する人間拡張技術やサービス工学の知見を統合し、建設機械という「製品」と健康経営支援という「サービス」を融合させることによる新たな顧客価値を共創していくことで合意した。
<連携研究室の概要>
名称:コマツ-産総研 Human Augmentation連携研究室
設立目的:人と建設機械の協調を高める人間拡張技術の社会実装
設立場所:産総研 柏センター(千葉県柏市)
設立時期:2020年4月
研究体制:連携研究室長 池田昌弘(コマツ)
連携研究副室長 持丸正明(産総研 人間拡張研究センター)
産総研、コマツから総勢30名程度の人員が参画
詳細は、ニュースリリース