㈱クボタは3月20日、インドのトラクタメーカーである、Escorts Limited(EL社)に出資すると発表した。EL社の新株発行により10%を取得する。出資金額は約160億円。今回の出資により、世界最大のトラクタ市場であるインドでの存在感を高めるとともに、将来大きく成長が見込まれている世界の安価機種トラクタ市場への足掛かりとすることで、更なる事業拡大を図っていく。
インドのトラクタ市場は台数ベースで世界最大規模であり、今後も市場の拡大が見込まれる。クボタは2008年にクボタ農業機械インド(KAI)を設立してインド市場に参入した。現在インド市場はローカルメーカーが主体となっており、ローカル各社は外資メーカーとの提携関係を強化している。クボタは、2019年2月にEL社とトラクタ製造の合弁会社を設立し、今年7月から量産を開始する予定。
今回の出資により、両社の協力関係をさらに深め、お互いが持つ強みを生かして、開発、生産、販売、物流、部品調達など事業の幅広い面でシナジーを発揮し、インド市場における存在感を高めていく。また、インドで求められる安価で高品質なトラクタの市場は、世界的にも広がりつつある。EL社の部品調達網やコストダウン力を活用することで、グローバルな市場ニーズにも応えていく。
今後、必要な手続きを経た上で、2020年6月に出資を完了する予定。EL社との協業をより一層高めるため、今回の出資と合わせて、KAI株式の40%をEL社へ売却する。将来的には、EL社と共同の研究開発拠点を設立することで、市場適合性の高い製品の開発と開発期間の短縮を図っていく。
画像:クボタの世界ネットワークで販売を開始するEL製トラクタ
<出資先の概要>
会社名:Escorts Limited
代表者:Nikhil Nanda 会長兼社長
本社所在地:インド ハリヤナ州ファリダバード市
設立年:1944年
事業内容:農業機械、建設機械、鉄道部品の製造販売
売上高:約1,000億円(約620億ルピー 2019年3月期決算)
従業員数:11,000名(含む非正社員 2019年12月現在)
<参考リリース>
インドの農業機械業界市場調査報告書:日本貿易振興機構(2012年3月:PDF90ページ)
2017年03月28日 ヤンマー、インドトラクターメーカーITL社株式の追加取得完了について
2018年11月29日 井関農機、インドの農機メーカーTAFE社と技術・業務提携締結について
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