昭和電工、リチウムイオン電池向け包材「SPALF」の車載大型製品向け量産設備導入を決定

 昭和電工は3月18日、子会社である昭和電工パッケージングが、リチウムイオン電池(LIB)の包材であるアルミラミネートフィルム「SPALF(R):画像」について、車載向けなど大型用途向けに特化した新製品を開発、量産化設備を導入することを決定したと発表した。新設備は2021年3月に稼働開始する予定。

 SPALF(R)は樹脂とアルミ箔をラミネートしたフィルムで、パウチ型LIBの包材として使用される。高い絶縁性を持ち、成形性が優れることなどから、世界的に高いシェアを有している。パウチ型LIBは形状の自由度が高く軽量であることから、スマートフォンやタブレットなどの小型用途で広く採用されているが、近年、品質の高さが認められ安全性の評価が進んでいることから、電気自動車(EV)向けをはじめとする大型用途でも採用が拡大している。中国に続き欧州でもEV開発が進み、パウチ型LIB包材の需要が高まっていることから、大型用途向け新製品を開発し、その量産設備の導入を決定した。

 昭和電工グループは個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)の実現をVision(目指す姿)としている。LIBの世界需要(容量ベース)は2025年まで年率30%の成長が予想されている(昭和電工推定)。昭和電工はSPALF(R)をはじめ、正負極材添加剤VGCF(R)、水系バインダー樹脂ポリゾール(R)といった特徴のあるLIB部材を取り揃えている。これらの製品を拡販することで、LIB市場の成長や高機能化に貢献するとともに、先端電池材料分野での個性派事業の確立を目指す。

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