プライメタルズテクノロジーズ(PT社)は3月6日、中国鉄鋼メーカーの宝山鋼鉄股份有限公司(以下、宝山鋼鉄)梅山製鉄所に向け「リキロボ(LiquiRob)」システム2 台を納入し、その稼働が開始されたと発表した。試運転に要した期間は4~5 日の短期間だった。さらにPT社は、同社の湛江製鉄所向けにリキロボシステム1 台を新たに受注し、これにより宝山鋼鉄の製鉄所で稼働するリキロボシステムは合計5 台になる。
PT社は、2018 年に宝山鋼鉄上海製鉄所の連続鋳造機(CCM3)向けにリキロボシステム2 台を納入しており、その試運転および稼働の成功を受け、同社は梅山製鉄所向けにさらに2 台のリキロボシステムを発注した。このプロジェクトの2 台のロボットは、酸素ランスがシュラウドで覆われたSafe Opening System(SOS)によってシュラウド操作を行う。2 基の連続鋳造機にそれぞれ設置されたこのシステムは、タンディッシュでの温度測定、O2 濃度測定、鋼のサンプリングに加え、酸素ランシングとタンディッシュでの粉末処理にも使用される。
梅山製鉄所では、現在、CCM4 およびCCM3 鋳造機でリキロボシステムが稼働している。CCM4 に設置された1 台目のリキロボは、5 日間という短期の停止期間で試運転を終え、シュラウド操作(レードルに対するシュラウドの取り付けおよび取り外し)とタンディッシュ測定を開始した。その1 週間後、CCM3 に設置されたもう1 台のリキロボシステムについても、4 日間の停止期間で、稼働が開始された。宝山鋼鉄は、上海製鉄所と梅山製鉄所におけるリキロボシステムの成果を受けて、新たに湛江製鉄所のCCM3 用にも同社5 台目となるロボットシステムを追加発注した。
PT社は、鉄鋼生産の過酷な環境下における労働安全性の改善と測定品質の向上を目的として、リキロボシステムを開発しました。現在、世界各国で31 台のリキロボシステムが稼働しており、そのうち21 台が連続鋳造機用。
宝山鋼鉄は、新たに発足した世界2 位の鉄鋼メーカーである宝鋼集団有限公司(China Baowu Steel Group Corp Ltd)の一員で、7 千万トンの生産能力を誇り、中国国内および国際市場向けに高品質な鉄鋼製品を生産している。