IHI、横浜事業所に高効率なガスエンジン/バイナリーコジェネシステムを新設

・CO2排出量削減とともに、防災性向上で地域に貢献

 ㈱IHIは3月2日、横浜事業所(横浜市磯子区)の防災性向上とCO2削減のため、同クラス最高効率のガスエンジン(IHI原動機製4000kW:画像)とその冷却水からの熱により発電するバイナリー発電機(IHI製100kW機)をパッケージにした高効率コジェネシステムを設置すると発表した。同設備は、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を設置し、同設備の運用データや事業所内の詳細な電力の使用量データの収集、見える化を実現することで省エネや需給最適化により将来一層のCO2削減を進めます。同設備の完成・運転開始は2021年4月予定。

 同設備の設置計画は、環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域の防災・減災と低炭素化を同時に実現する自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)」に採択されている。

【防災性向上およびBCP(事業継続計画)対応】

 同設備は津波対策、ガス供給途絶対策を考慮して設置場所を選定し設計するとともに、災害時に電力事業者が停電した場合でもガスエンジンで発電できるようにブラックアウトスタート機能を有している。

 これらの防災対策によって、横浜市が定める「一斉帰宅抑制の基本方針」(賛同事業者として登録済み)や「災害時における施設等の提供協力に関する協定書」に基づき、災害時に電力供給や公共交通機関の運行に支障が発生した場合でも、従業員や外部からの帰宅困難者を合計約3,800名、事業所内に一定期間待機させることが可能になる。

【環境性の向上】

 IHIの資源・エネルギー・環境事業領域は、中期経営計画「グループ経営方針2019」において、様々なソリューションを提供することにより、「2035年までにお客さまの現行CO2排出量を50%削減」していくことを目指している。

 横浜事業所では、同設備の導入により約1400トン/年のCO2排出を低減することができる見込み。さらに今回設置するEMSを活用し、同設備や事業所内施設の電力利用状況などの見える化、蓄積したデータを利用したエネルギー供給・需要の最適化を実現するなど、継続的にCO2削減に取り組んでいく方針。

 IHIは、高い防災性と環境性を備えたモデル事業所として横浜事業所を位置づけ横浜市・地域社会に貢献するともに、CO2削減技術への取組みにより、引き続き「脱炭素社会の実現」に向けて取り組んでいく。

 ニュースリリース