・高性能を維持しつつ、市場が求める薄型化・軽量化・低価格化を実現
新明和工業は2月28日、高精度な駆動制御が求められるアクチュエーター(駆動装置)向けのフレームレスモータを、新たに2機種開発したと発表した。
新型となる「B06C-15」「B09C-14」は、協働ロボット関節駆動やウェアラブル(アシストVR)用のアクチュエーターに搭載するモータとして、市場が求める「大中空」「低扁平」「軽量」を同時に満たしつつ、「低価格」での提供を目指して開発したもので、従来型の設計構造を見直すとともに、製造工程の一部を自動化することで、性能の向上と低価格化(従来型比で最大50%)共に反映した製品化に成功した。
これまで、産業ロボットは一般的に人の作業と分離した環境で使用されてきたが、近年の規制緩和や安全技術の進化に伴い、人と同じ作業スペースで”働く”ことを前提とした協働ロボットが登場し、昨今の人手不足解消を目的に導入する法人が増加傾向にある。新明和工業では従来、顧客が求める細かな仕様を反映した高精度モータをオーダーメードで提供してきたが、こうした背景を受け、量産仕様の産業ロボット分野向けモータ2機種を新たに開発し、ラインアップを拡充した。
なお、今回の開発に当たっては、特殊モータコア関連の製造において、吉川工業(本社:北九州市)の技術協力を得ている。
新明和工業は、1983年にダイレクトドライブモータ市場に参入して以来、ハードディスク検査装置や半導体および超精密加工機、研究機関用試験装置といった「高精度な回転」を求める市場をターゲットとし、業界トップクラスの高出力・高精度なモータを供給してきた。最近では、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)宇宙探査イノベーションハブにおける共同研究で、世界最高クラスの小型高効率モータの開発に貢献するなど、モータの精度においては国内トップクラスの技術力を誇る。
今後は、協働ロボット市場やアシストスーツ向けなどの需要増加に備えて量産体制を整え、生産現場における人手不足や作業環境の改善に貢献していく。
<発売概要>
用途:ロボット関節駆動用アクチュエーター、ウェアラブル(アシストVR)用アクチュエーター、小型ローバ、AGV、RGV用アクチュエーター、薄型位置決めステージ用アクチュエーター等
価格:「B06C-15」 35,000円/「B09C-14」 45,000円 (いずれも税別)
※量産数量により別途見積もりを提示
販売目標(2020年度):「B06C-15」1,000台/「B09C-14」1,000台