国際協力銀行(JBIC)、サウジアラビアにおけるメタノール製造・販売事業に対する融資

 ㈱国際協力銀行(JBICは3月2日、2月28日に日本・サウジアラビアメタノール株式会社(以下JSMC)との間で、融資金額432百万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結したと発表した。融資は、「成長投資ファシリティ*1 /海外展開支援ウインドウ」のもとで、みずほ銀行及び三菱UFJ銀行との協調融資により実施されるもの。

 三菱瓦斯化学を最大株主として設立されたJSMCは、サウジアラビア法人サウジアラビア基礎産業公社(以下SABIC)との合弁により、1980年にサウジアラビア法人Saudi Methanol Company(以下AR-RAZ」)を設立した。

 AR-RAZIは、1983年より、サウジアラビア・ジュベイル工業地帯において、メタノールの製造・販売事業を行っている。2018年11月、AR-RAZIに関する合弁契約の期限が到来したところ、JSMCとSABICは、同契約を20年間延長することで合意した。今回の案件は、JSMCが当該合弁事業を継続するにあたり必要な資金を融資するもの。

 メタノールは、主に天然ガスから製造され、ガソリンの添加剤や燃料電池の他、接着剤や合成樹脂といった化学品の原料等、幅広い用途に使用されている。プロジェクトで生産されるメタノールの一部は、JSMCが継続して引き取り、主として日本国内向けに販売される。日本は、国内で使用するメタノールの全量を輸入に頼っているところ、融資は、日本企業が事業参画する海外のメタノール製造拠点の維持及び日本のメタノール調達源の多角化に寄与するものであり、日本のエネルギー資源の安定確保に貢献するもの。

 JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件形成やリスクテイク機能等を通じて、日本にとって重要なエネルギー資源の確保に貢献するプロジェクトを金融面から支援していく。

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