JIG-SAW(本社:東京都千代田区)と酒井重工業は2月20日、総務省が令和元年度に行っている5G総合実証試験において、KDDI、大林組、NECと共同で、5Gを用いた「ICT 施工」の実証実験に参加したと発表した。
この実証試験では、JIG-SAW と酒井重工業が共同で行うASCS プロジェクト(下記参照)で開発した自律走行式ローラを5Gネットワークに接続し、遠隔からの施工開始や施工状況を見ながら一時停止するなど、他の建機群と協調して一連の施工を行うことに成功した。
今後も実証実験に参加することで得た知見を製品・サービスにフィードバックするとともに、より一層利便性、生産性を向上させ、ICT 施工分野に大きく貢献できる技術及びサービス開発を推進していく。
JIG-SAW と酒井重工業は2015 年より共同でロードローラ向けの自律走行・操縦システムの共同研究開発及び実証を継続して実施してきた。酒井重工業の建機(ロードローラ)とJIG-SAW が開発する自律走行・操縦ソフトウェアを連携稼働させるもので、実用化・製品化を目指して取り組んできていた、研究開発及びテスト等のプロセスを経て、2019 年内に実際の走行・稼働を実現場で実証することが可能なレベルとなり、同一現場において使用される他の締固め機械、及び他の建機類との協調制御機能についての開発もあわせて研究開発を開始している。
これらを踏まえ、業界標準機を開発するという位置づけを明確にし、より広い範囲で関連業界各社との連携を目指し、JIG-SAW と酒井重工業の共同開発を2019 年6 月に自動操縦プロジェクト「Auto-DriveSynchronized Control System(ASCS)」の一環として、締固め機械向けに「Auto-Drive SynchronizedControl System(ASCS)for Compaction Equipment」を正式な共同開発プロジェクトとする覚書調印をしている。
また、他の締固め機械及び他の建機類との協調制御機能についての開発も開始しており、より実用化に近づいている。プロジェクトは今後もより広範囲での共同体としての展開を予定している。
■5G(第5世代移動通信システム):5Gは、「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」といった特長を持つ次世代の移動通信システム。総務省では、5Gの実現に向けた研究開発、国際連携・国際標準化の強化、5G用周波数割当てや技術基準の策定等の取組を推進している。総務省は、第5世代移動通信システム(5G)の実現による新たな市場の創出に向けて、様々な利活用分野の関係者が参加する5G総合実証試験を平成29 年度から実施している。
■ASCS for Compaction Equipment プロジェクト:同プロジェクトは、、i-Construction 分野における盛土等の土木構造物に求められる品質(剛性・密度等)に重大に影響する締固め工程で用いられる締固め機械に関する自律・協調制御並びにこれらの自動操縦等の機能を実用搭載する業界標準機開発を目的としている。2019 年に本格実用化に向けた研究機を完成させ、業界向けに公表しており、自律走行+安全管理+締固め管理+協調制御を大きな柱としている。