日立建機は2月18日、中国現地法人である日立建機(上海)有限公司(本社:上海市浦東新区)が、中国市場向けのミニショベル土木専用機ZX60C-5A(標準バケット容量0.19㎥、運転質量5.4t)を開発、2月より、中国国内向けに限定50台を発売し、テストマーケティングを開始したと発表した。
日立建機グループは、グループ全体の品質レベルの標準化・向上をめざす世界同一品質「Made by Hitachi」の実現に取り組んでおり、中国市場においても製品の耐久性や操作性などの品質や性能について高い評価を得ている。また、建設機械を遠隔監視しデータレポートで安定稼働をサポートする「ConSite®」を活用したアフターサービスでも、高い評価を受けている。
中国では都市開発やインフラの建設需要から、ミニショベルの需要が急速に高まりつつある。これまで評価されてきた品質や性能を確保しつつ、運転室内のより高い快適性や、主に掘削作業で使用され製品のコストパフォーマンスを求める中国市場のニーズに対応するため、ミニショベル土木専用機を開発した。
今回開発した土木専用機は、日立建機が市場ニーズの収集・集約による製品戦略を立案し、中国でミニ・油圧ショベルなどの開発、製造をする日立建機(中国)有限公司と、日立建機グループのコンパクト事業を担う日立建機ティエラが共同開発した。中国市場のニーズを取り入れつつ、これまでのミニショベル開発でのVE活動*を通じた知見を活かした土木専用機となっている。
例えば、ミニショベルの用途は、道路工事などの都市土木をはじめ、農林業、造園、畜産、解体、除雪など、多岐にわたるが、今回は道路工事などの都市土木に最適な仕様・構造にしている。また、操作性に直接的な影響が少ない運転室内の機器や、油圧ショベルのキーコンポーネントである油圧機器の一部の部品は、日立建機の品質基準を満たした中国国産メーカーを採用することで製品価格を抑えている。
さらに、従来のミニショベルに比べて広い運転室を採用することで作業視野や快適性、高い安全性を確保している。同時に、車体のフレームに用いる構造部材を一クラス上のものとすることで高い耐久性を実現、また、音響設備などの快適装備は、土木専用機購入後に顧客が自由に選択できる構造としている。
なお、本土木専用機は、テストマーケティングのために開発したもので、現時点では、量産モデルの発売時期や価格は未定。
日立建機グループはこれからも、中国をはじめ各国・地域の市場ニーズをグループ内で共有し、日本とグローバル拠点が連携して、市場ニーズに合致した製品開発を進めていく。
*:VE(Value Engineering) 製品やサービスの価値を、機能とコストとの関係で把握し、システム化された手順によって価値の向上をはかる手法。単なる原価低減ではなく、顧客にとっての価値向上と利益向上の両立をめざす。
画像:中国市場向けのミニショベル土木専用機ZX60C-5A
コメントを投稿するにはログインしてください。