井関農機は2月14日に発表した2019年12月期(1~12月)連結業績によると、売上高は、前期比6,056百万円減少し、149,899百万円(前期比3.9%減少)となった。。(*数値表記は原文を尊重しています)
国内は、補修用部品・修理収入が堅調に推移したものの、期中における消費増税の影響も受けた農機製品の減少、前期に大型工事の完工があった施設工事の減少などにより、国内売上高は前期比5,094百万円減少の117,717百万円(前期比4.1%減少)。海外では、北米は、新商品の小型トラクタが好調に推移したことなどにより増加した一方で、欧州は、景観整備製品等が堅調だったものの為替円高影響により円貨ベースでは減少、中国では現地在庫調整による田植機半製品の出荷減少、アセアンではタイ向けトラクタの出荷やインドネシア政府入札の減少などにより、海外売上高は前期比962百万円減少し、32,181百万円(前期比2.9%減少)となった。
また営業利益は、減収による影響を、国内販売会社収支構造改革による収益改善や販管費の削減などにより一部吸収したものの、前期比434百万円減少の2,745百万円(前期比13.6%減少)。経常利益は、前期に計上のあった受取技術料がなくなったことや持分法投資損失の計上などにより、前期比1,520百万円減少の1,108百万円(前期比57.8%減少)。親会社株主に帰属する当期純利益は、企業結合に係る特定勘定取崩益、投資有価証券売却益等の特別利益の計上に加え、税金費用の減少等により前期比367百万円減少の723百万円(前期比 33.7%減少)となった。
■2019年12月期の経営成績概況
2019年における国内経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、製造業の業績や輸出を中心に一部に弱さが見られるものの、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が継続した。海外については、米国経済は個人消費の増加などから回復を続ける一方、欧州経済は生産や輸出に弱さが見られ、また中国経済は米中貿易摩擦の影響を受けた輸出の減少に加え、個人消費の伸び悩 みなどから緩やかな減速が継続した。世界経済全体では総じて緩やかな回復が見られるものの、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱の行方等の不透明感から回復のテンポが鈍化している。
国内農業環境については、担い手への農地集積や畑作・野菜作への作付転換など農 業の構造的な変化が進む中、農機市場は消費増税に向けた駆込み需要が見られたものの、基本的には横ばいで推移した。このような状況の中、井関農機グループは、国内においては新商品の投入や顧客対応の充実を図るなど、農業構造変化への対応強化、海外においては主力市場である北米、欧州、中国、アセアン での販売強化に努めきてきたが、井関農機グループの連結経営成績は以下のとおりとなった。
■商品別の売上状況
〔国内〕 整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は25,373百円(前期比7.5%減少)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は9,049百万円(前期比1.5%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は18,591百万円 (前期比6.9%減少)、作業機、補修用部品、修理収入は40,809百万円(前期比0.5%増加)、その他農業関連(施設工事など)は23,894百万円(前期比6.7%減少)となった。
〔海外〕 整地用機械(トラクタなど)は25,319百万円(前期比2.2%減少)、栽培用機械(田植機など)は 1,177百万円(前期比39.5%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は1,704百万円(前期比193.1 %増加)、作業機・補修用部品は2,802百万円(前期比1.0%増加)、その他農業関連は1,177百万円 (前期比39.4%減少)となった。
■今後の見通し
次期の経営環境は、国内経済は雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果などにより緩やかな回復が続くことが期待されている。米国経済は良好な雇用・所得環境などから緩やかな成長が続く見通し。欧州経済は、英国のEU離脱に伴う先行き不透明感等から、弱い回復が続く見通し。世界経済全体では引続き緩やかな回復が見込まれるものの、新型肺炎による影響も懸念される中国経済の先行き、中東情勢などによる不透明感 が高まっている。
国内農業については、農業の構造変化を受けたニーズの変化を伴いながら、消費増税後の不透明な需要環境から農機需要は弱含み横ばいで推移するものと見ている。こうした中、担い手を中心とした大規模化・人手不足を背景とした省力化ニーズ・野菜作・畑作への作付転換に向けた品揃えや、サービス・サポート対応などにより、堅調な作業機や修理収入などを中心に農機関 連等で増収を見込んでいる。
海外は、堅調な北米市場のほか、アセアン市場の回復などにより増収を見込んでいる。収益面では、販管費の増加はあるものの、増収による売上総利益の増加に加え、国内販売会社 の収支構造の更なる改善や海外向け製品の収益改善等により、増益を見込んでいる。
なお、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による業績への影響は現時点では見通すことが困難なため、業績予想には織り込んでいない。今後、修正の必要が生じた場合は、速やか に開示する。
売上高1,560億円(前期比4.1%増)、営業利益36億円(同:31.1%増)、経常利益28億円(同152.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億円(同35.1%増)の見通し。
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