日本貿易保険(NEXI)、モロッコTaza風力発電プロジェクトの融資保険を引受

 日本貿易保険(NEXIは12月23日、モロッコのTaza風力発電プロジェクト向け融資に対して保険の引受を決定したと発表した。

 プロジェクトは、三井物産及びフランスの再エネ事業会社であるEDF Renouvelables S.A.が設立したプロジェクト会社を通じて、モロッコ北部のTaza市近郊地区において87.21MWの風力発電所を新たに建設し、Office National de L’Électricité et de l’Eau Potable(モロッコ電力・水公社)に対して商業運転開始後20年間にわたり発電所の運転、保守及び売電を行うもの。

 NEXIはプロジェクトにおいて、プロジェクト会社がプロジェクトファイナンスにより調達する協調融資(総額約113百万ユーロ)のうち、三菱UFJ銀行及び三井住友銀行の計2行の民間金融機関による融資(約44百万ユーロ)に対して保険を適用する。なお、国際協力銀行(JBIC)もプロジェクトへの融資を決定している。

 モロッコ政府は2030年までに電力消費に占める再生エネルギーの比率を52%まで増やすことを目指している。再生エネルギー導入拡大を進める背景には、国内に化石燃料資源が乏しく、海外からの輸入に大きく依存していることがある。プロジェクトはこの政策目的に適い、同国の目指すエネルギーミックスや環境負荷の低減に貢献することが期待されている。

 日本政府は「インフラシステム輸出戦略(経協インフラ戦略会議決定 令和元年度改訂版)」において、パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国ニーズに応じ、再生可能エネルギー等を含めた支援を積極的に推進する方針を掲げている。加えて、再生可能エネルギー事業への公的金融の積極活用も掲げている。また、今年8月に開催されたTICAD7において、日本政府の対アフリカ協力方針はモロッコ政府にも支持されている。プロジェクトはこうした日本政府の施策にも合致するもの。

 NEXIは、今後も日本の政策金融機関として、本邦企業による海外事業展開及びアフリカ諸国向けのインフラ開発を積極的に支援していく。

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