日立レールSTS社、パリ~リヨン高速鉄道向け信号システムを約157億円で受注

 ㈱日立製作所は12月20日、鉄道システム事業におけるグループ会社である日立レールSTS社が、フランス国有鉄道(SNCF)のインフラ保有・管理事業関連会社であるSNCF Réseauと、首都パリとリヨン間を結ぶ高速鉄道路線(以下、本路線)向け信号システムに関する契約を1億2,930万ユーロ(約157億円)で締結したと発表した。

 契約は、SNCFが進める高速鉄道路線の近代化プロジェクト(以下、本プロジェクト)の一環。高速鉄道路線約550キロメートル、在来線への接続路線約80キロメートルからなる全長634キロメートルの路線の近代化に向けた改良を行う。本路線は、ヨーロッパの鉄道の主要路線網として機能し、現在、1日あたり約240編成の列車が運行しており、SNCFが運行を担うフランスの高速鉄道の総旅客輸送量の1/3に相当する、年間4,400万人を超える乗客が利用している。しかし、ピーク時の輸送量は飽和状態に近づいており、より一層の輸送能力拡大に向けた需要が高まっている。

 今回、日立レールSTS社は、信号システムの一翼を担うCBI(Computer Based Interlocking:電子連動装置)の設計・構築を行う。フランス固有の自動列車保護装置と連動し、1980年代から運用されている58の既設装置を置き換える。日立の最新装置は、ERTMS(European Railway Traffic Management System:欧州統一列車制御システム)との互換性を備え、パリと、フランス北東部に位置し、東ヨーロッパとの連絡口であるストラスブール、フランス南西部に位置し、南ヨーロッパとの連絡口であるボルドー、フランス西部に位置するレンヌを結ぶ既存高速鉄道路線において、既に導入実績がある。本プロジェクトにおいて、飽和状態に近づいている本路線のピーク時における運転本数を1時間あたり1編成から3編成増発し、路線の信頼性および輸送能力を向上させる。

 なお、本契約には、走行テストおよび試運転のオプション契約も含まれている。

■日立レールSTS社 EMEAビジネスユニット プレジデント Christian Andiのコメント

 本契約は、我々とSNCFとの間の強固で長年にわたるパートナーシップの象徴です。日立レールSTS社は、フランスにおける鉄道輸送の成長に引き続き貢献します。

■日立レールSTSフランス社 プレジデント Gilles Pascaultのコメント

 パリとリヨン間を結ぶ高速鉄道路線の近代化プロジェクトにおいて、主要装置を提供する企業に選ばれたことを光栄に思います。日立レールSTS社のCBI技術は、フランスの歴史的な高速鉄道路線の1つを大幅に改善します。SNCFと共に、路線のピーク時において、これまで以上に多くの輸送能力を提供します。

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