日立建機、バッテリー駆動式ミニショベルの試作機(5tクラス)を開発

 日立建機は12月9日、今後、急速な市場の立ち上がりが予想される電動化建機の技術を確立するために、バッテリー駆動式ミニショベルの試作機(5tクラス)を開発したと発表した。

 今回開発した試作機は、ミニショベル・ミニホイールローダなどの開発・製造・販売を行う100%子会社の日立建機ティエラ(本社:滋賀県甲賀市)が、European Application Center GmbH(以下、EAC社、本社:ドイツ連邦共和国ヘッセン州シュトックシュタット・アム・ライン)と連携して開発したもの。EAC社は、日立建機と欧州地域における代理店 Kiesel社のグループ会社 KTEG Kiesel Technologie Entwicklung GmbH(本社:ドイツ連邦共和国バーデン=ヴュルテンベルク州バイエンフルト)が、2018年に建設機械の電動化および応用開発製品の開発を行うために設立した合弁会社。

 日立建機は、電動化建機の開発・製造に、早い時期から取り組んできた。作業現場の環境改善を目的に中小型機をベースとした有線式の電動ショベルは、1990年代の発売以降、主に日本市場で累積100台以上の納入実績がある。また、顧客のランニングコスト低減を目的としたマイニング分野でも世界各地の鉱山現場に多くの有線電動式の超大型油圧ショベルの納入実績がある。

 近年、地球温暖化対策や低炭素社会の実現に向け、世界各国・地域で環境規制が強化されている。建設機械業界でも、自動車業界と同様に、稼働時に二酸化炭素などの排出ガスを出さない電動化建機に対する期待が高まっている。特に欧州市場を中心に過密な都市部の工事で使われるミニショベルでは、バッテリー駆動式の電動化建機への期待が高まっている。

 日立建機は、2006年にバッテリー駆動式のZX50UB-2(5tクラス)、ZX70B(7tクラス)、2010年にはバッテリー駆動式のZX35B(3.5tクラス)を開発し、市場に投入したが、当時はまだ現在ほどニーズは高くなく、規模も限定的だった。

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