㈱牧野フライス製作所が10月31日に発表した2020年3月期第2四半期連結累計期間(4~9月)における業績は、売上高745億3,500万円(前年同期比18.7%減)、営業利益10億6,700万円、経常利益11億500万円、純利益8億7,500万円となった。
受注は811億4,300万円(前年同期比28.8%減)となった。高水準だった前年同期を大きく下回った。前年度下期からの、受注の減少傾向が継続した。下期も厳しい状況が続くとみている。
■第2四半期(7~9月)における報告セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)
<セグメントⅠ> (「個別」および国内連結子会社)
牧野フライス製作所の国内受注は前年同期を大きく下回りました。ロボットと自動車の部品加工向けが減少したため。半導体製造装置向けが増加したものの、減少を補うことはできなかった。
下期も引き続き、厳しい水準が続くとみている。自動車や半導体製造装置向けの回復は来期以降に延びる見通し。設備投資が低迷する中でも、特長を生かした提案を強化することで、案件の獲得に努める。航空機向けは、新型機関連の引き合いがあるがが、受注の決定は航空機メーカの開発の進捗に大きく影響を受ける見通し。
<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )
アジアは前年同期に比べ、すべての地域で大きく下回った。中国では、自動車の部品加工向けは、延期や中止となる引き合いが多かったことで、前年同期を大きく下回った。米中貿易摩擦による影響が出ている。自動車の金型向けは減少した。パソコンや家電など電気電子部品の金型向けでは、同社のアジア製品の受注が底堅く推移した。為替レートが中国元に対し円高となり、価格競争力が日本製に比べ相対的に上がったことによる。スマートフォン市場は設備投資が進んだが、受注に結び付けることができなかった。
下期は、自動車に対する政府の施策により、受注が上向くことを期待している。インドは、自動車向けを中心に引き合いの延期や中止があり、まとまった受注のあった前年同期を大きく下回った。自動車向けの回復には時間がかかると見ている。下期は一般機械や航空機など、自動車以外に成長を見込める産業への営業活動に注力する。
アセアンでは、ベトナムは底堅く推移したが、タイなど他の地域が減少したことで、前年同期を下回った。下期も引き続き、同様の状況が続くとみている。
<セグメントⅢ>( MAKINO INC. )
アメリカは前年同期を下回り、第1四半期並みの結果となった。自動車はピックアップトラックやSUV向けで受注が継続した。航空機向けは、一部機種の出荷停止による影響を、ビジネスジェットの構造部品向けや航空機のエンジン部品向けなどが補った。
下期も同様の受注が継続する見通し。
<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )
ヨーロッパは前年同期を下回った。見込んでいた引き合いの決定が第3四半期以降にずれ込んだ。自動車関連の顧客は、景気の先行きはもとより、ディーゼル車やEVの動向を注視しているため、投資を見合わせている。航空機向けは、機体の増産が進む中でも、航空機メーカがサプライヤーに対する部品発注の再交渉をしたことによる遅れ等により、受注が減少した。
下期は引き続き、ずれ込んでいる案件の獲得に努める。
■2020年3月期見通し
通期の連結業績予想については、売上高740億円(年初予想790億円)、営業利益6億5,000万円(同:24億円)、経常利益8億5,000万円(同:27億円)、親会社株主に帰属する純利益4億5,000万円(同:16億円)にとなる見通しで、前回公表値(2019年7月31日公表)を据え置いた。
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