プライメタルズテクノロジーズ、中国河北省の鉄鋼メーカーよりArvedi ESP ラインを受注

  • 連続鋳造圧延一貫プラントによる高品質な極薄鋼板の生産で新たな市場分野に参入
  • 最小板厚0.7 ミリの鋼板を生産可能
  • 従来の鋳造と圧延の個別プロセスと比較して、エネルギー消費と関連コストを最大45%低減

 プライメタルズテクノロジーズは11月6日、中国河北省の鉄鋼メーカーからArvediESP(エンドレスストリップ生産)ラインを受注したと発表した。この連続鋳造圧延一貫生産設備は、現在建設中の、LD 転炉(BOF)1基を備えた新設製鉄所に納入される。Arvedi ESP ラインの生産可能な板厚は最小0.7 ミリで、同鉄鋼メーカーは高品質な極薄鋼板の生産が可能となり、新たな市場セグメントに参入できる。従来型の鋳造と圧延が分離したプロセスと比較すると、エネルギー消費と関連コストが最大45%低減するだけでなく、同時にCO2 とNOx の排出量も大幅に削減され、環境への影響も最小限にとどまる。受注したプラントの操業開始は2021 年を予定している。

 中国河北省に拠点を置くこの鉄鋼メーカーは、一貫製鉄、包括的な天然ガスの開発と利用、不動産開発、人材開発、先進的なロジスティクスを一手に手掛ける総合企業。一貫製鉄所を中国2カ所の省、市で操業しており、年間生産量は600 万トンを超える。Arvedi ESP プラントの導入によって、同社は高品質な薄板製品が生産できるようになり、中国国内および国外向けの非常に有望な高級製品市場に参入可能となる。

 プラントの長さは180 メートルで、従来の鋳造と圧延が分離した設備と比較して相当コンパクトでありながら、最大板幅1,600 ミリメートル、最小板厚0.7 ミリメートルの高品質な極薄熱延鋼板を生産できる設計。生産する対象鋼種として、炭素鋼板、低合金高張力(HSLA)鋼板、および二層鋼板が予定されている。

 PT社は、Arvedi ESP プラントのエンジニアリングを担当するほか、機械設備、機器制御システム、技術パッケージ、オートメーションシステムを納入する。ラインはすべて、完全に統合されたベーシック(レベル1)及びプロセス(レベル2)の各オートメーションで制御され、これによりすべての鋳造圧延操作が制御される。

 Arvedi ESP プロセスでは、鋳造圧延直結プラントによる連続生産プロセスで、溶鋼から熱延コイルが直接生産される。ラインでは、まず薄ストランドを用いた鋳造が行われ、続いて鋳造機に直結した3 スタンドの高圧下圧延機で10~20 ミリの中間厚まで圧延される。この中間圧延材は誘導加熱炉で再加熱された後、5 スタンドの仕上圧延機で目標板厚まで圧延され、ラミナーフローによるストリップ冷却が行われる。その後鋼板は高速シャーによって切断され、最大重量32 トンのコイルとして巻き取られる。Arvedi ESP プラントでは幅広い鋼種の鋼板を自由に生産することが可能。

 Arvedi ESP ラインのエンドレスストリップ生産では、圧延スタンドへの通板を何度も繰りかえす必要が無く、最小板厚0.7 ミリの極薄鋼板を製造することが可能。生産された圧延鋼板の寸法は全長にわたって許容値内に完全に納まっており、同時に、エンドレス生産によって鋼の微細構造、粒度、降伏強さや引張強さの均一性も確保されます。生産される鋼板は常に張力を受けているため、板厚が1.2 ミリより薄い極薄鋼板の生産比率が50%以上の場合でも、不良品の発生率は0.1%未満となる。

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