クボタ、2019年1~9月売上は7.1%増の1兆4,608億円、国内・海外とも増収

 ㈱クボタが11月7日に発表した2019年12月期第3 四半期連結累計期間(1~9 月)の売上高は前年同期比964 億円(7.1%)増加して1 兆4,608 億円となった。

 国内売上高は機械、水・環境ともに大幅増収となり、前年同期比580 億円(13.7%)増の4,807 億円となった。海外売上高は水・環境部門が減少したが、トラクタや建設機械の好調により機械部門が伸長したため、前年同期比384 億円(4.1%)増の9,800 億円となった。

 営業利益は固定費の増加や原材料価格の上昇などはあったが、国内外での増収や米国の金利低下に伴う販売促進費の減少、値上げ効果などにより、前年同期比177 億円(12.0%)増の1,662 億円となった。税引前利益は営業利益の増加により、前年同期比177 億円(11.5%)増の1,713 億円。法人所得税は438 億円の負担となり、四半期利益は前年同期比160 億円(14.0%)増の1,303 億円。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を165 億円(15.6%)上回る1,224 億円となった。

クボタ2019年第3四半期データ

■部門別の概況

<機械部門>

 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前年同期比6.5%増加して1 兆2,136 億円となり、売上高全体の83.1%を占めた。

 国内売上高は前年同期比12.2%増の2,633 億円となった。農業機械が大幅に増加したほか、建設機械やエンジンも増加した。

 海外売上高は前年同期比5.0%増の9,504億円となった。

 北米では、需要が堅調に推移したことに加え、昨年後半の出荷が当期にずれ込んだことや建設機械の新機種投入効果などもあり、トラクタ及び建設機械が大幅に増加した。

 欧州では、ドイツ及びフランスのトラクタや建設機械が伸長したが、Brexit による景気悪化懸念を背景とした英国での建設機械の低迷や、ユーロやポンドに対する円高の影響により、円貨ベースでは減収となった。

 アジアでは、タイの農業機械や建設機械が増加したが、中国のコンバインや田植機が低迷したことなどにより、アジア全体では減収となった。

 その他の地域では、干ばつや景気悪化によりオーストラリアのトラクタや建設機械が減少した。

 セグメント利益は固定費の増加や原材料価格の上昇を、国内外での増収や米国での金利低下に伴う販売促進費の減少、値上げ効果などで補い、前年同期比9.7%増加して1,734 億円となった。

<水・環境部門>

 同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、バルブ、素形材、スパイラル鋼管等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)により構成。売上高は前年同期比10.1%増加して2,234 億円となり、売上高全体の15.3%を占めた。

 国内売上高は前年同期比16.6%増の1,940 億円となった。パイプインフラ関連製品は素形材やスパイラル鋼管が減少したが、ダクタイル鉄管や工事事業が大きく伸長したため増収となった。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設による売上が大幅に増加した。

 海外売上高は前年同期比19.6%減の294 億円となった。中東向けのダクタイル鉄管や中国の浄化槽などが減少した。

 セグメント利益は国内の増収や値上げ効果などにより、前年同期比47.5%増加して164億円となった。

<その他部門>

 同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前年同期比8.5%増の237 億円となり、売上高全体の1.6%を占めた。セグメント利益は前年同期比31.6%増加して23 億円となった。

■2019年12月期の見通し

 2019 年12 月期の売上高は前回予想時(2月14 日)から500 億円減の1 兆9,200億円を見込んでいる。ダクタイル鉄管の好調などにより国内売上高は前回予想を上回るものの、中国市場の低迷や東南アジアをはじめとする各地域での天候不順の影響などにより、海外売上高が前回予想を下回る見込みのため、下方修正した。

 営業利益の予想については、減収の影響はあるものの、米国での金利低下に伴う販売促進費の減少や、想定に比べて鋼材価格が低下したことなどを踏まえ、前回予想と同額の2,000 億円とした。また、税引前利益は2,080 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,450 億を予想しており、いずれも前回予想からの変更はない。

 業績見通しにおける想定為替レートは、1 米ドル=109 円、1 ユーロ=122 円としている。

 クボタの2019年12月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算補足説明資料