ファナック、2019年4~9月売上は24.4%減、通期業績は再び下方修正

 ファナックが10月28日に発表した2020年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高が2,609 億53 百万円(前年同期比24.4%減)、経常利益が570 億90 百万円(同49.0%減)となった。四半期純利益は、遊休資産に係る減損損失を特別損失に計上したこと等により、401 億85 百万円(同50.8%減)となった。

 部門別の売上高については、FA 部門が768 億9 百万円(前年同期比35.8%減)、ロボット部門が985 億45 百万円(同11.5%減)、ロボマシン部門が408 億4 百万円(同40.7%減)、サービス部門が447 億95 百万円(同1.1%減)だった。

 ファナック2020年3月期第2四半期データ

■部門別業績

<FA部門>

 CNCシステムの主要顧客である工作機械業界において、米中貿易摩擦の影響により中国市場での機械需要が落ち込んだほか、中国市場に大きく依存している台湾でも機械需要が落ち込んだ。韓国や比較的堅調であったインドも内需の弱さ等により、低調に推移した。欧州と日本国内についても、設備投資抑制の動きを受け、需要が落ち込んだ。レーザは、拡販に努めたが、海外メーカとの競争がさらに厳しさを増している。これらの結果、FA部門全体の売上高は前年同期に比べ減少した。

<ロボット部門>

 国内は自動車産業、一般産業ともに堅調に推移したものの、米州の自動車産業において設備投資の谷間が続いたほか、中国、欧州でも、自動車産業、一般産業ともに設備投資に慎重な動きが続いた。これらの結果、ロボット部門全体の売上高は前年同期に比べ減少した。

<ロボマシン部門>

 ロボドリル(小型切削加工機)において、自動車部品関係を中心に拡販に努めたものの、IT関係の一時的需要分が残っていた前年同期に比べると売上が減少した。ロボショット(電動射出成形機)については、自動車部品、医療市場向けに拡販に努めたが、売上は若干減少した。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)についても、中国市場を中心に売上が減少した。

■4~9月における取り組み

 ファナックグループは、長期的な視点に立った経営を続けるべく、「oneFANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービスファースト」をスローガンに掲げ、ファナック商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制を顧客が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進している。またIoT への対応として、製造現場のオープンプラットフォームであるFIELD system (FANUCIntelligent Edge Link and Drive system) を自社工場へも導入し、機能拡張およびアプリケーション(パートナー企業製を含む)の充実を図るとともに、AI 技術のファナック商品への適用等を進めている。そして、CNC とロボット、ロボットとロボマシンの融合のさらなる推進も、重要な取り組みの一つとして掲げている。

 また同時に、商品競争力の強化、セールス・サービス活動の強化、工場の自動化・ロボット化、業務の合理化に力を入れている。

■2020年3月期連結業績予想を修正

 2020年3月期の連結業績については、国家間等の貿易摩擦の影響を含む各国の関税政策や為替動向などの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くとして業績予想を修正。売上高は5,045億円(前回予想:5,242億円)、営業利益691億円(同:713億円)、経常利益805億円(同:810億円)、当期純利益579億円(同603億円)と修正した。

 ファナックの2020年3月期第2四半期決算短信

 第2四半期説明資料