東邦チタニウム社は10月16日、 ニッケル粉の生産能力を増強するため、約75億円投じて若松工場(北九州市)内に新工場を建設すると発表した。
ニッケル粉は、積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multilayer Ceramic Capacitor)の内部電極として使用される。 MLCC は電気・電子製品等における「電源供給の補助・安定化」、「雑音の抑制」等の役割を果たし、スマートフォン、タブレット、 PC等の電子機器のほか 、各種自動車電装部品に搭載されている。足元、自動車向けやスマートフォン向けの販売低迷等により MLCC需要の伸びは鈍化しているが、 通信機器の高機能化、自動車の電装化、第5世代移動通信システム 5Gの実用化等により、市場は今後大きく成長していくものと想定している。
東邦チタニウムは、 2017年12 月 、若松工場にニッケル粉新工場を建設し、生産能力を増強したが、更なる需要拡大が見込まれる中、今後の伸びが期待される小型・大容量MLCCに対応できるニッケル粉の供給体制を強化するため、新工場を建設することにした。
<新工場の概要>
建設地:若松工場(福岡県北九州市若松区響町1-62-1)内
建屋延床面積:約 6,400 ㎡
投資額:約 75 億円
完工:2020 年 12 月
営業運転開始:2021年4 月