三井海洋開発、ブラジル・ペトロブラス社よりFPSO1基の建造・チャーター契約の発注内示書を受領

 三井海洋開発(本社:東京都中央区)は10月16日、ブラジルの国営石油会社であるPetroleo Brasileiro S.A.(ペトロブラス社、本社:リオデジャネイロ市)より、FPSO(Floating Production, Storage&Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)1基の建造及びチャーター契約の発注内示書を受領したと発表した。

 本FPSOは、ペトロブラス社が保有しオペレーターを務めるCampos(カンポス)海盆内のMarlim(マルリン)鉱区の再活性化プロジェクトに用いられる。

 日量8万バレルの原油生産能力、日量7.0百万立方メートルのガス生産能力、日量39万バレルの水圧入能力、100万バレルの原油貯蔵能力を持つ本FPSOは、三井海洋開発米国子会社のSOFEC社が設計・建造するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、リオデジャネイロ州沖合約150km、水深約670mの海上に係留される。本FPSOは、Marlim鉱区の再活性化プロジェクトに用いられる2基のFPSOの内の1基目であることから、石油・ガス業界で通称「Marlim 1 FPSO」と呼ばれている。

 三井海洋開発は、本FPSOの設計から機器購入、建造、据付までの一括工事を請け負う。また、本FPSOは、完成後に三井海洋開発の関連会社が保有し、2022年からペトロブラス社に対する25年のチャーターサービス(リース及び運転・保守点検等のオペレーション)に供される予定。

 2003年に、三井海洋開発のブラジル向けとして初のFPSOをCampos海盆内の鉱区において稼働開始させて以来、三井海洋開発は本FPSOを含め計16基の浮体式生産設備を受注しており、ブラジルは三井海洋開発にとって最も重要な市場のひとつ。特に、2006年にSantos(サントス)海盆内で発見され、その可採埋蔵量の多さから、同国のみならず石油・ガス業界全体から注目されるプレソルト層深海鉱区群では、2010年に三井海洋開発設計・建造のFPSOが世界初の原油商業生産を達成して以来、三井海洋開発は計8基のFPSOを受注するなど、圧倒的な実績を誇っている。プレソルト層深海鉱区群の発見以前にブラジル沖合での石油・ガス開発の中心となっていたCampos海盆内の鉱区では、現在、最新技術を投入しての再活性化プロジェクトが進行中であり、本FPSOは、その一環として発注されるもの。

 三井海洋開発は、プレソルト層深海鉱区群をはじめとする新規鉱区開発用FPSOと共に、今回のような既存鉱区再活性化プロジェクト用FPSOに対する需要も柔軟に取り込みながら、引き続きブラジルにおけるエネルギー産業の発展に寄与していく。

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