IHI原動機、環境対応型自動車運搬船向けX-DFデュアルフューエルエンジンを受注

 ㈱IHIのグループ会社である㈱IHI原動機(本社:東京都千代田区)は10月15日、日本郵船が㈱新来島どっく(本社:東京都千代田区)に発注した、最新鋭の環境対応型自動車運搬船(PCC)に搭載される主機として、8X52DFデュアルフューエルエンジンを受注したと発表した。今回受注した8X52DFは日本国内の造船所向けとして初めてのX-DFデュアルフューエルエンジンとなる。

 2020年から船舶の排ガス規制が強化される中、船舶用燃料は従来の石油系燃料から硫黄酸化物(SOx)の排出がほぼゼロとなる、環境負荷が低いクリーンなLNG燃料船の導入が韓国や中国で積極的に取り組まれ始めている。これに加え、2025年以降の建造船に課される「EEDI(Energy Efficiency Design Index=エネルギー効率設計指標)30%削減の達成」のため、CO2排出量が少ないLNG燃料船の開発が各造船所で進んでいる。

 このように、今後数年間でLNG燃料船は世界的に拡大することが見込まれている中、日本でも環境省及び国土交通省がCO2排出削減対策としてLNG燃料船の導入促進に向けた取り組みを積極的に行っている。

 こうした中、日本郵船は中期経営計画「Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green」の一環としてLNG燃料船への転換に取り組んでおり、今回の環境対応型自動車運搬船が日本で建造する最初の大型LNG燃料船となる。

 X-DFデュアルフューエルエンジンは、低圧ガス噴射方式を採用することで、安全性が高いことに加え、かつLNG燃料供給設備のコストを抑えられる、また、排出規制海域(ECA)内外問わず、機関単独でIMO(国際海事機関)の窒素酸化物(NOx)3 次規制をクリアできるなど、優れた環境性能を有していることが大きな特長。そのことから、世界の大型ガスエンジンにおけるX-DFのシェアは、最近では90%(12ケ月累積受注ベース)にも昇っており、その技術は世界でも高く評価されている。

 また、IHI原動機が製造・販売するX-DFデュアルフューエルエンジンは、IHIグループの環境配慮製品(省エネ、温室効果ガス削減、省資源、環境リスク低減、生物多様性保全の5項目にて評価し、一定の水準を満たすIHIグループの製品・サービス)にも認定されている。

 画像:X-DFデュアルフューエルエンジン(テスト機)

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