アサヒ、国産ウイスキー(ニッカ)の生産設備増強に約65億円を投資、原酒製造・貯蔵能力を増強

・ニッカウヰスキー創業100周年に向けた取り組み

 アサヒグループホールディングス(本社:東京都墨田区)は10月7日、需要が高まる国産ウイスキーを将来にわたって安定的に供給することを目的に、ウイスキー製造会社であるニッカウヰスキー(本社:東京都港区)の生産設備を増強すると発表した。2019年~2021年にかけて、余市・宮城峡の両蒸溜所でウイスキー樽の貯蔵庫増設や原酒製造に関わる設備増強などを行い、生産効率の向上を図ります。設備投資金額は合計約65億円。(ニッカウヰスキー施設案内

 原酒の貯蔵については、両蒸溜所で各1棟、合わせて2棟の貯蔵庫を新設し2021年までの稼働を予定しています。ニッカウヰスキー全体の原酒貯蔵能力は約2割増となる見込み。

 原酒の増産については、両蒸溜所で設備増強を行う。余市では、樽詰めタンク、出荷タンクなどを増設することでモルトウイスキーを増産する。宮城峡では、モルトウイスキーに加えて、グレーンウイスキーを増産するためにカフェスチルの蒸溜工程で一部自動化を行い、製造工程の効率化を図る。2022年以降の原酒製造能力は2018年比で約120%、2015年比で約210%となる予定。

 嗜好の多様化により、国産ウイスキー市場は拡大を続けています。アサヒビールが販売する国産ウイスキーは、主力の「ブラックニッカ」ブランドが伸長し、2018年は前年比109%となった。一方、市場の急拡大に伴う原酒不足により、「竹鶴」「余市」「宮城峡」を中心としたプレミアムウイスキーは2014年以降、出荷調整が続いている。

 アサヒビールは、2015年~2017年にかけて約60億円を投じて、ニッカウヰスキーの生産体制を強化してきた。2017年以降、2015年比で約180%の原酒増産を行っている。今回新たに約65億円の設備投資を行うことで、出荷調整をしている一部のプレミアムウイスキーや、伸長を続ける「ブラックニッカ」の生産増強を図る。

 ニッカウヰスキーは、“日本のウイスキーの父”と称される竹鶴政孝が1934年に創業して以来、独自の歴史と製法をもとにした高品質なウイスキーを製造してきた。また、世界的な酒類品評会である「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」や「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」で数々の賞を受賞するなど、海外での評価も高まっている。

 今回の設備投資を通じて、ニッカウヰスキー創業100周年となる2034年に向けた、国産ウイスキーの長期的な安定供給体制の構築を目指す。

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