日立建機、ブラッドケン社がグループのリジッドダンプトラック向け純正荷台を出荷開始

・グループの強み・ノウハウを掛け合わせ、軽量化した荷台をオーストラリア市場に拡販

   日立建機の100%子会社で、鉱山機械向け部品を製造するBRADKEN PTY LTD(本社:オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州、以下、ブラッドケン社)は、10月10日、日立建機が従来と比べて約1割(3トン相当)分*の重量を軽く設計した、日立建機グループのリジッドダンプトラック向け純正荷台をイプスウィッチ工場(オーストラリア連邦クイーンズランド)で製造し、出荷を開始したと発表した。初のブラッドケン社製となる荷台を取り付けたリジッドダンプトラックEH5000AC-3は、日立建機オーストラリアから、燃料炭を供給するオーストラリアの鉱山会社Bengalla Mining Company Pty Ltdに2台納入する予定。

 オーストラリアは、鉄鉱石や石炭など豊富な鉱物資源に恵まれており、日立建機は、これまでも鉱山企業向けに超大型油圧ショベルとリジッドダンプトラックを多数納入してきた。また、2017年3月には、鉱山向けの設備や消耗部品、メンテナンス・サービスなどを提供する現地企業ブラッドケン社を買収し、マイニング事業のソリューションビジネスを強化してきた。

 リジッドダンプトラックは、車体を組み立てた上で、荷台を取り付けるが、荷台は輸送コストや納期の観点から、これまでは日立建機グループからの供給ではなく、現地の製造会社が設計・製造する荷台が搭載されることが主流だった。しかし、顧客からは日立建機の車体に適した荷台を求める声が寄せられていたことから、日立建機とブラッドケン社が協力し、日立建機が設計した荷台を、ブラッドケン社のイプスウィッチ工場で製造する体制を整えた。

 リジッドダンプトラックの積載量を増やし、鉱山現場における生産性を向上するためには、荷台の重量はできる限り、軽量にする必要がある。そこで、日立建機は従来と比べて約1割(3トン相当)分の重量を軽くした荷台を新たに設計した。また、ブラッドケン社のイプスウィッチ工場では、製造方法や品質管理などにおいて、日立建機の品質基準に則ったモノづくりに取り組んだ。これにより、日立建機の車体に適した軽量な荷台を供給し、顧客の課題である「生産性向上」に貢献する。

 日立建機は、ブラッドケン社を連結子会社化した後、ブラッドケン社の事業構造改革を実施し、収益体質の強化に取り組んできた。また、ブラッドケン社のグローバルに広がるメンテナンス・サービス、販売網を活用し、日立建機にとって新規の顧客との関係構築など、シナジーを生み出してきた。

 今回の取り組みは、日立建機とブラッドケン社の技術力を掛け合わせることで、軽量化した日立建機グループの純正荷台をオーストラリア市場に迅速に納入することを可能にした。

 今後も両社のノウハウ・強みを掛け合わせることで、ブラッドケン社イプスウィッチ工場だけでなく、他の拠点においても消耗部品の製品ラインアップ拡充を図っていく。

*:EH5000AC-3の従来のオーストラリア市場向け荷台と、新たに設計した荷台の重量を比較した数値。

 画像・上:ブラッドケン社が製造したリジッドダンプトラックの荷台

 画像・下:リジッドダンプトラックEH5000AC-3

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