㈱不二越が10月3日に発表した2020年11月期第3四半期連結累計期間(2018年12月~19年8月)の連結売上高は、1,872億97百万円(前年同期比0.3%減)、このうち、国内売上高は1,015億32百万円(同5.7%増)、海外売上高は857億64百万円(同6.5%減)となった。利益面については、販売価格の引き上げやコストダウンに取り組んだが、為替相場が大幅に円高で推移したことに加え、原材料やエネルギー価格の上昇、人件費等が収益を圧迫し、営業利益は106億16百万円(同13.0%減)、経常利益は95億27百万円(同12.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は63億9百万円(同12.5%減)となった。
■経営成績に関する説明
第3四半期連結累計期間の不二越グループをとり巻く環境は、米中通商問題の影響が拡大し、世界経済は一段と減速感が高まった。また、国内市場は底堅く推移したものの、産業機械分野を中心に先行きが不透明となり、経営環境は総じて厳しい状況にある。
このような状況のもと、不二越グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、国内外で新規開拓や、新商品の市場投入などによる受注・売上拡大に取り組んだ。また、中長期的な業容の拡大と、足下の収益構造の改善に向けて、開発・営業・生産体制を強化してきた。
■セグメントの業績
機械工具事業は、中国市場の減速の影響があったものの、国内市場は堅調に推移し、また、工具を中心とした新商品の投入効果や工作機械の大型案件もあり、売上高は657億27百万円(前年同期比2.0%増)となり、営業利益は47億91百万円(同3.0%増)となった。
部品事業は、建設機械分野の需要は底堅く推移したものの、自動車・産業機械分野で一部減産の動きがあり、売上高は1,078億63百万円(前年同期比2.1%減)、利益面では、原材料価格の上昇等の影響もあり、営業利益は43億61百万円(同31.3%減)となった。
その他の事業は、特殊鋼の堅調な需要と販売価格の引き上げなどにより、売上高は137億5百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は14億17百万円(同23.4%増)となった。
■2020年11月期の見通し
米中通商問題の影響などにより、中国を中心に海外向けの販売が減少し、また、国内向けでも産業機械分野などで需要が低減している。加えて、為替も想定より円高に推移していることから、通期連結業績予想を上記の通り修正した。
売上高2,500億円(前回予想:2,600億円)、営業利益135億円(同:170億円)、経常利益121億円(同:155億円)、親会社株主に帰属する当期純利益81億円(同:105億円)となる見通し。
なお、第4四半期の想定為替レートは、1ドル107円、1ユーロ118円、1中国元15.0円としている。
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