伊藤忠商事は、水・環境インフラ大手の仏スエズ社、再生可能エネルギー等への欧州の投資ファンドであるマルガリータファンドの3社が出資する事業会社BEO ČISTA ENERGIJA.社(以下、BCE)が10月2日、総額約3億ユーロ相当のプロジェクトファイナンスベースの融資契約を世界銀行グループである国際金融公社、欧州復興開発銀行、オーストリア開発銀行(Oesterreichische Entwicklungsbank)と締結したと発表した。
BCEは既に建設開始に必要な許認可を取得しており、これより建設工事を開始し、2022年の完全操業を目指す。
同事業は同国最大の環境社会問題の一つとなっているドナウ川沿いに位置するVinča(ヴィンチャ)廃棄物最終処分場を閉鎖し、適切な管理を行う事でその問題を解決に導くもの。また、廃棄物を焼却処理した際の余熱及び埋立場の廃棄物より発生するメタンガスを活用した発電・発熱施設を建設し、建設廃材処理施設、廃棄物から出る汚染水の浄化処理施設と共に25年間に渡って運営する。
同事業によって化石燃料に頼る事なく、約3万軒の国内家庭電力消費量に相当する電力供給、及び冬場のピーク時にはベオグラード市のKonjarnikプラント熱供給の8割を供給する事が可能となる。また、埋め立てられる廃棄物を削減する事により、廃棄物から発生する温室効果ガスの削減にも寄与する(25年間でCO2約300万トン)。
同事業はセルビアの環境・廃棄物管理政策のEU基準適合への道筋の核をなすものであり、現在EU加盟交渉中のセルビアにとって最重要事業の一つと位置づけられている。
伊藤忠商事はこれまでスエズ社と共に、英国のサウスタイン&ウェア事業(2011年4月28日付プレスリリース)、コンウォール州事業(2013年4月12日付プレスリリース)、西ロンドン事業(2013年11月28日付プレスリリース)、マージーサイド州事業(2013年12月24日付プレスリリース)で同様の取組をしており、同国の廃棄物焼却処理市場約15%にあたる年間約130万トンの廃棄物を処理している。
英国の4事業、セルビアでの本事業の経験を活かし、廃棄物処理ビジネスを通じて世界各地で持続可能な地域社会の実現、自然環境への負荷軽減に貢献していく方針。
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