中越パルプ工業、約35億円投じて中越エコプロダクツ「マプカ」新工場の起工式を開催

 中越パルプ工業は9月26日、㈱環境経営総合研究所との合弁会社である中越エコプロダクツの新工場建設にあたり、中越パルプ工業高岡工場(高岡市)敷地内の建設予定地で起工式を行ったと発表した。

 中越エコプロダクツは、環境経営総合研究所が独自の特許と技術を駆使して開発したプラスチックに代わる新素材「マプカ(MAPKA®)」シートを製造する会社。

 マプカとは、セルロース・ファイバーを主原料として合成樹脂を混合したプラスチックでも紙でもない素材でありながら、従来のプラスチック容器と同等の機能を持つ新しい素材。

 海洋プラスチックごみ、マイクロプラスチックなどのごみによる環境汚染が国際的な問題となっている今日、世界各国で使い捨てプラスチックの使用規制が強化されている。

 新工場で製造するマプカは、石油由来の資源の使用を大幅に削減することができるばかりではなく、一般ごみとすることが可能な、地球温暖化や酸性化といったライフ・サイクル・アセスメントにおいても環境性能の高い製品。惣菜や弁当に使われているプラスチック容器の多くは使い捨てだが、これらは現在もライフスタイルの変化と共に拡大を続けている。

 代替となるものがない中で、マプカの使用によりプラスチック使用量の削減を始めとする高い環境対策の実現を図れることは、事業者にとっても利用者にとっても大きな利点と言える。

 さらに、今回新たに酸素バリア性を有するマプカシートを新工場で製造する。酸素バリア性トレイは米飯や惣菜などの常温保存を目的とした食品向けや、非常食へ展開する。ライフスタイルの変化への対応や災害時対策、フードロスの解決等に貢献しうる製品。富山県産食材のトレイに採用されれば、地元富山ブランドとして、安全・安心に裏打ちされたメイドイン・ジャパン製品として、国内はもとより世界へのアピールが可能になる。

 中越パルプ工業は、さらなる事業展開を図り、技術革新によるイノベーションの基盤拡大、生産から消費に至る作る側の責任、地球温暖化対策、海の豊かさや水資源を守り、森林資源の持続可能な活用の推進、官民相互のパートナーシップの推進など経済、社会、環境の側面から持続可能な開発へ向けた取り組み(SDGs)を推進していく。

<新工場の概要>

所在地:富山県高岡市材木町(中越パルプ工業高岡工場敷地内)

設備投資額:約35 億円

生産能力:12,000T/年(食品トレー用シート)

工事期間:2019 年10 月着工、2020 年秋竣工予定

規模等:鉄骨造り 地上2階 延床面積 6,612 ㎡ 建築面積 5,530 ㎡ 敷地面積8,450 ㎡

 画像:新工場の外観イメージ

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