クボタ、ごみ焼却施設でAIを活用した蒸気量予測に関する実証実験

・廃棄物発電の効率化・安定化に向けた取組み

 ㈱クボタは10月1日、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と連携し、廃棄物発電の効率化と安定化に向けた取組みとして、ごみ焼却施設において燃焼時に発生する蒸気量を予測する実証実験を行っていると発表した。

 クボタは、2016年6月にNTTグループと「農業・水・環境インフラ分野におけるICTイノベーション創出に向けた連携協定」を締結し、これまで農業、水環境それぞれの分野でプロジェクトを立ち上げ、実証実験に取り組んでいる。今年の6月より水環境分野において、NTT Comと共同でごみ焼却施設における廃棄物発電の効率化と安定化を目的とした実証実験を行っている。

 ごみ焼却施設において、ごみが燃焼する際に発生する熱から高温高圧の蒸気をつくり、蒸気タービンを回転させ発電する取り組みが広がっている。しかし、投入するごみの性状によって、蒸気量が変化することにより安定した発電ができず、エネルギーの無駄が発生するため、蒸気量を安定させることが求められている。

 クボタは、子会社のクボタ環境サービスが納入したごみ焼却施設において蒸気量の安定化に向けた実証実験に取り組んでおり、NTT ComのAI解析ツールを活用し、1分先のごみ燃焼状況に関する予測モデルを作成した。

<実証実験の概要>

実施期間:2019年6月~

活用技術:NTT Comの

(1)AI解析ツール『Node-AI※1』を用いたごみ燃焼状況の予測モデルを作成する技術

(2)『時系列アトリビューション解析技術※2』を用いた予測モデルを可視化する技術

現状の課題:ごみ焼却施設において、ゴミが燃焼する際に発生する熱から高温高圧の蒸気をつくり、蒸気タービンを回転させ発電する取り組みが進んでいる。しかしながら、投入するゴミの性状によって蒸気量が変化することにより、安定した発電が出来ないため、蒸気量を安定させることが求められている。

期待できる効果:運転管理者が1分先の蒸気量増減の予測を確認できるため、蒸気量を安定させる操作のサポートが可能になる。

課題解決:ごみ燃焼時に発生する蒸気の量を安定させることで、廃棄物発電の効率化と安定化が可能になる。

※1 NTT Comが開発したGUI(Graphical User Interface)環境を活用したAI解析支援ツール。

※2 ディープラーニングを適用した予測モデルにおいて、予測結果に与える各入力の影響を数値化することが困難という問題に対し、時間変化する各入力の影響を可視化することが可能な技術。

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