ソディック、リニアモータ駆動 大型形彫り放電加工機「AG200L」発売

 ㈱ソディックは9月30日、リニアモータ駆動 大型形彫り放電加工機「AG200L」を発売すると発表した。

 近年、自動車のバンパーやフロントグリル、ドアパネルなどの大物金型では、各種センシング機能搭載による自動運転や、ヘッドランプなど各モジュールの高機能化・複雑化・一体構造化、意匠デザインの高インテリジェント化への対応により、より大型で、より複雑な設計の金型構造になっている。これら大型金型には、補強用リブや固定用ボスに対応する、切削工具では困難な小径の深穴やスリットなどの複雑形状が多数配置されており、これらを形彫り放電加工機を用いて高速で簡単に加工したいというニーズがある。今回、この要望に応えるべく、ソディックではリニアモータ駆動形彫り放電加工機のベストセラーである“AGシリーズ”において、ストローク最大級の大型ワーク対応 高速・高性能形彫り放電加工機「AG200L」を開発し、発売する。

 AG200Lは、C型コラム仕様の形彫り放電加工機「AG100L」をベースに、XYZ各軸のストロークを拡張するとともに、最新の構造解析による機械剛性の向上などを最適化した機械設計を行うことで、設置面積を抑えつつ、さらに大型のワークへ対応した。

 X軸を1,200㎜から2,000㎜に、Y軸を650㎜から1,200㎜にそれぞれ拡張し、従来の最大機AG100L対比で、最大加工物寸法(面積)で約2倍、加工タンク空間容積で約3.2倍の大型ワークに対応しながら、機械寸法(面積)を1.5倍に抑え、マシンのコンパクト化に成功している。

 Y軸に業界初の2重構造スライド方式を採用することで、この省スペース化を実現したが、軸ストロークを拡張しながら移動質量を軽減し、加工軸の応答性を向上する効果も得られ、XY軸の横サーボや3軸の寄せ加工などにおいて安定した高速加工を可能とする。Y軸操作においては、加工前の位置決め時に、自動フォールディング動作を行うことで、NCプログラムを変更することなく最適に制御する。

<発売概要>

標準価格:6,300万円~(税抜き)

生産目標台数:6台/年

発売開始:2019年10月1日~

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