日立キャピタル、遠心圧縮機および付帯設備のロシア企業向けサプライヤーズ・クレジット案件を成約

 日立キャピタルは9月6日、ロシアにおいて、モスクワ証券取引所に上場する肥料製造大手企業のPJSCACRON(以下、ACRON)との間で、㈱日立インダストリアルプロダクツの尿素プラント向け遠心圧縮機およびモーター等付帯設備を、5年間の長期延払によるファイナンス条件(以下、サプライヤーズ・クレジット)で輸出する旨に合意し、このほど契約を締結したと発表した。ロシアへの輸出は、2020年5月から順次開始される。

 同サプライヤーズ・クレジット案件に対しては、㈱日本貿易保険(NEXI)による貿易一般保険包括保険が付保される。今回の案件は、NEXIが2年以上の延払案件に対する貿易一般保険の引受再開を2017年4月1日に公表後、初めてのロシア向けの案件となる。

 ACRONのVeliky Novgorod工場(ロシア・ノヴゴロド州)では、現在、肥料の原料となるアンモニアを製造する際に自然発生した二酸化炭素を回収して同じ工場内にある尿素プラントに移送し、圧縮して再利用することで尿素の生産能力を増強し、肥料原料の自給率を上げることを計画している。

 今回、輸出される圧縮機は、2016年にACRONがVeliky Novgorod工場の設備増強を行った際に㈱日立製作所が納入したアンモニアプラントの後工程に投入される。このほど、日立インダストリアルプロダクツ製品の品質の高さや納期の確実性といった日立ブランドへの信頼感に加え、日立キャピタルが長期サプライヤーズ・クレジットを提供することが評価されたことから、輸出が実現した。

 また、今回成約したサプライヤーズ・クレジットによる輸出案件は、日立キャピタルにおいては、2017年のカザフスタン向けの案件に続き2件目となる。

 日立キャピタルは、今後も本件のようなサプライヤーズ・クレジットに取り組むことで、主に中小口輸出案件への機動的かつきめ細かなファイナンスとリスクマネジメントサービスを組み合わせたソリューションを提供していく。加えて、日本・欧州・米州・中国・ASEAN共通で提供する販売金融と、NEXIが提供する貿易一般保険を組み合わせた輸出金融の提供を通じて、日立インダストリアルプロダクツをはじめとしたメーカー製品の販売拡大および中小口のインフラ拡大に貢献していく。

 ニュースリリース