ダンフォス（Danfoss）、新世代のデジタル変位ポンプは燃費削減と電動機への道を約束する

　Danfoss（ダンフォス）：2019年9月4日

■未来はデジタルです

　英国で開発されている新世代のDigital Displacement®（デジタル変位、置換）ポンプは、燃料消費量の根本的な削減と、将来のオフ・ハイウェイ電動機への道を約束します。英国で実用化されている技術のおかげで、明日のオフロード車は今日使用されているエネルギーの半分以下を消費する可能性があります。

　昨年、デンマークの多国籍企業DanfossとEdinburgh（エジンバラ）の会社であるArtemis Intelligent Power（アルテミス・インテリジェント・パワー）が率いるコンソーシアムは、Advanced Propulsion Center UK（英国先進推進センター）から1,100万ポンド（約14.5億円、132円計算）を確保し、オフロード車で使用する新世代の「デジタル変位」油圧ポンプとモーターを開発しました 。

　12カ月もたたないうちに、DanfossはArtemis（アルテミス）の過半数の株式を取得し、エジンバラに卓越した製造施設のセンターを建設する計画を進めています。Danfossは、20年の開発期間を経て、オフロード市場全体を変革する準備ができている英国の技術を支援しています。

　Artemis Intelligent PowerのマネージングディレクターであるNiall Caldwell（ニール・コールドウェル）博士について次のように説明します。

　「オフ・ハイウェイ車両のシステム効率を改善する緊急の必要性があります。油圧装置はほとんどの重機の心臓部にありますが、エンジンで行われる作業の半分以上が油圧システムの熱として無駄にされるアナログポンプに依存しています。対照的に、デジタル変位ポンプは新しいマシンの中心に組み込むことができ、まったく新しいデジタル対応アーキテクチャー（建築）を可能にし、制御の改善とエネルギー消費の根本的な削減を実現します。私たちが今日いる場所は、Danfossとの長年のコラボレーションの結果です。 APCからの資金提供は、この製品を市場に投入するというコミットメントを解き放つ触媒となりました。」

■DigitalDisplacement®（デジタル変位）とは何ですか？

・OEMの関心

　すでにDanfossは多くのOEMと高度な議論を重ねており、現在、デジタル変位ポンプの製造のための最初の最先端の生産ラインを委託しています。

　Danfoss ScotlandのDigital Displacement（デジタル変位）のディレクターであるEric Bretey（エリック・ブレイティ）は述べています。

　「デジタル変位は信じられないほどの革新であり、オフ・ハイウェイ市場に革命を起こすと信じています。当社の最初の焦点は油圧ショベル市場です。単純な『ストレートスワップ』として統合された場合でも、ポンプとバルブシステムのエネルギー損失を根本的に削減し、エンジンの利用率を向上させることができます。」

　フィールド・トライアルにおいて、Danfossは従来のディーゼル駆動ショベルと、ストレート・スワップ・デジタル変位ポンプを備えた同一のショベルを比較しました。

　トレンチ機能の結果を調べたトライアルでは、次が含まれました。

・1時間で溝掘り距離が15％改善

・トレンチ1メートルあたりの燃料消費量を12％削減

・現在の市場リーダーより生産性が17％向上

　Bretey（ブレイティ）は次のように述べています。「最終的な結果は、短い回収期間で排出量と運用コストを削減しますが、完全に統合された新世代のマシンを期待している場合、マシンアーキテクチャーを再考する機会があれば、効率、コスト、および制御がさらに向上することを意味します。」

　APCの最高経営責任者であるIan Constance（イアン・コンスタンス）は、プロジェクトについて次のように述べています。

　「排出量を削減するという課題は、自動車産業全体で共有されており、セクターのすべての分野を含んでいます。このプロジェクトは、低炭素イノベーションの開発から恩恵を受ける幅広い種類の車両を強調しています。このアプローチは、英国の自動車部門全体で雇用を創出し保護し、英国のサプライチェーンを強化するのに役立つと期待しています。」

■電気的イネーブラー

　オフロードセクターは、電化への費用対効果の高いルートを見つけようとするため、デジタル変位も重要な役割を果たします。オフロード機械の厳しいデューティサイクル、過酷な環境、高エネルギー要件により、電化は大きな課題となります。

　OEMは、新しい機械の中心にデジタル変位ポンプを組み込むことにより、生産性が向上し、デューティサイクルが長くなり、エネルギー消費が少ない電動ショベルを製造できます。

　Bretey（ブレイティ）は次のように結論づけています。

　「電気ショベルのようなものに適用されるデジタル変位技術を考えると、特定のバッテリー容量での実行時間の大幅な改善、または特定のデューティサイクルを実行するために必要なバッテリーパックのサイズの縮小が見込まれます。これにより、バッテリーが大幅に節約され、年間のランニングコストが大幅に削減されます。全体として、オフ・ハイウェイセクターにとっては、デジタル変位は双方にとって有利だと考えています。短期間で排出量を大幅に削減し、コストを削減する英国製の発明であり、今後のシステム効率の向上によって可能になる完全な電化への道筋を示します。これは将来の非常に前向きなビジョンだと思います。」

　ニュースリリース

　＊リリース内容から「ですます調」で表記してます。