NTN、自社商品の環境価値を「見える化」、新商品の開発・提供に活用

・20年前と比較して年間約140万トンのCO2排出量の削減に貢献

   NTNは8月22日、自社商品の環境貢献度を定量化し、各商品の環境価値を「見える化」する取り組みを開始したと発表した。商品毎に環境効率を算出し、1997年当時の商品の環境効率と比較を行うことで、以降の新商品の環境ファクタ(環境貢献度)を導出している。試算では、20年前の商品を同社が提供し続けた場合と比較して、現在提供する商品群では、2018年度実績で年間約140万トンのCO2排出量の削減効果を確認し、これはガソリン約60万リットル相当の使用削減となる。NTNは、自社商品の環境価値を「見える化」することで、今後のさらなる環境貢献新商品の開発と提供を加速していく。

■環境貢献指標の策定背景

 近年、国連による持続可能な開発目標「SDGs」でも提唱される「気候変動」が国際社会における重大な社会的課題となっており、世界各地で大雨や干ばつ、熱波などの異常気象が次々と観測されている。今年7月に公表された国連の報告書は、「気候変動が持続可能な開発に向けた前進を脅かしている」と警鐘を鳴らしており、この地球規模の課題に対して、さらなる対策の強化が急務となっている。

 NTNは、100年以上にわたってベアリングを製造・販売している。ベアリングはあらゆる機械の回転部を支え、摩擦を減らすことでエネルギー消費を抑えるエコ商品。エコ商品を製造・販売することで省エネルギー社会に貢献しているとも言えるが、数ある企業の中でNTNが供給を担うことに対する企業価値の明確化と、全社で定量的な認識を持つことによって生まれる技術開発の加速、モチベーションの向上を目的に、環境貢献指標を策定した。

■環境貢献指標について

 商品毎に導出した環境ファクタを5つのグレードに分類。自動車などの最終製品のエネルギー損失低減に寄与し、かつ1997年当時の性能と同じレベルの商品を「D-eco」と定め、それとの比較によって環境貢献度合いに応じた4段階のグレード(S-eco、A-eco、B-eco、C-eco)に分類している。

 今年度は、同社の売上高の約6割を占める自動車用ドライブシャフトとハブベアリングを対象として、環境貢献度を算出した。今後は、産業機械向けベアリングや自然エネルギー商品など、全商品に対象を拡大していく。

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