味の素、約93億円投じてマレーシアに新工場、ハラル準拠製品の開発・生産体制を強化

・2022年4月稼働開始予定

 味の素(本社:東京都中央区)は8月19日、連結子会社であるマレーシア味の素社(AJINOMOTO (MALAYSIA) BERHAD、以下、AMB社)の移転に伴い、エンステック工業団地(ヌグリ・スンビラン州)に新工場を建設すると発表した。設備投資総額は約355百万マレーシア・リンギット(約93億円)で、2022年4月に稼働開始予定。新工場では、うま味調味料「味の素®」、風味調味料「TUMIX®」、「RasaSifuTM」、メニュー調味料「SERIAJI®」、加工食品メーカーや外食産業向けの調味料などを生産する。

*1マレーシア・リンギット=26.32円(2019年7月末レート)

 AMB社は1961年の創業以来、クアラルンプール市を拠点としているが、同エリアにおいて商業・居住施設等の更なる開発が見込まれるため、将来の安定的な生産に向けた環境の確保を目的に移転と新工場の建設を決定した。移転先のエンステック工業団地は、ハラルに準拠したインフラが完備されていること、ロジスティクス条件も良好であること、将来の事業拡大に向けた用地確保が可能であることから選定した。

■新工場の特長は以下の通り。

1.味の素グループにおけるハラル準拠製品と独自素材の開発・生産機能の強化

(1)既存工場同様、JAKIM ※1ハラル認証の最高位であるホワイトリスト認定を継続維持し、マレーシア市場での提供価値の向上、東南アジア諸国連合(ASEAN)やイスラム圏へのハラル準拠製品の輸出拡大に貢献

※1)マレーシア連邦政府イスラム開発局の略称。マレーシア政府のハラル認証機関を指す。

(2)ASEANにおいて独自素材のアプリケーション開発※2・生産における中心的な役割強化

※2)国ごとに異なる食の嗜好やニーズに対応した最適な原料配合の開発

2.先端技術の導入による次世代食品工場の実現

(1)自動化・デジタル化によるオペレーションの最適化、生産性の向上

(2)従業員が働きやすい環境の整備(生産工程の省力化による性別や年齢を問わない作業環境構築)

3.環境(E)・社会(S)への積極対応

(1)熱源の変更(燃料油から天然ガス)によるCO2排出量削減、太陽光などの再生可能エネルギーの導入検討等

(2)工場見学や料理教室等、地域に密着したプログラムの実施によるオープンな“魅せる工場”

 味の素は2017-2019中期経営計画において、食品事業の地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長を重点戦略に掲げている。今回は従来機能の強化だけでなく、地域に密着し環境と社会への積極対応を実現する新工場を建設することで、マレーシア社会およびASEANを中心とした周辺諸国への更なる貢献を目指す。

<新工場の概要>

所在地:マレーシアヌグリ・スンビラン州エンステック工業団地

敷地面積:土地約188,000m²、工場延床面積約54,000m²

設備投資総額:約355百万マレーシア・リンギット(約93億円)

事業内容:調味料等(うま味調味料「味の素®」、風味調味料「TUMIX®」)などの製造・販売

今後の予定:着工2019年度下半期、稼働2022年4月

<マレーシア味の素社の概要>

英文会社名:AJINOMOTO (MALAYSIA) BERHAD

所在地:マレーシア・クアラルンプール市

設立時期:1961年

代表者:社長 山本直子

売上高:448百万マレーシア・リンギット(約117億円)(2018年度)

従業員数:約600名(2019年6月時点)

事業内容:調味料等(うま味調味料「味の素®」、風味調味料「TUMIX®」)の製造・販売

資本金:約65百万マレーシア・リンギット(約17億円)

 味の素グループは、先端バイオ・ファイン技術を核に、調味料、加工食品、飲料、アミノ酸、医薬品、化成品など幅広い分野で事業を展開するアミノ酸のリーディングカンパニー。

 1908年にアミノ酸の一種であるうま味成分のグルタミン酸を発見して以来、アミノ酸が持つ可能性を科学的に追求することで、世界中の人々の健やかな生活を支えてきた。

 同社はこれからも、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートメッセージに、事業を通じて世界中の人々のウエルネスに貢献し、地域や社会とともに価値を創出することで、さらなる成長を目指していく。

 味の素グループの2018年度の売上高は1兆1,274億円。世界35の国・地域に拠点を置き、商品を販売している国・地域は130以上にのぼる(2019年現在)。

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