日本ガイシ、約60億円投じ第2エンジン実験棟を新設

・自動車排ガス浄化用製品の開発・評価体制を拡充し地球環境保全に貢献

 日本ガイシは8月7日、小牧事業所(愛知県小牧市)に自動車排ガス浄化用セラミック製品の新たな実験施設「第2エンジン実験棟」を建設することを決定したと発表した。同施設により自動車の燃費・排ガス規制の強化・拡大に対応する次世代製品の開発・評価体制を拡充し、セラミックス事業のさらなる拡大とともに環境保全や省エネルギーへの貢献を目指す。

 日本ガイシは現在、名古屋事業所(名古屋市瑞穂区)のエンジン実験棟で自動車排ガス浄化用製品の評価・実証を行っている。世界各国で今後ますます厳しくなる自動車の環境規制に対応する新製品をタイムリーに開発、供給するため、小牧事業所内に新実験棟を建設し、開発・評価体制を拡充する。第2エンジン実験棟には、自動車のエンジンや排ガス計測装置を設置し、主にEHC(電気加熱式触媒)などの新製品開発のための実験・評価を行う。投資金額は約60億円で、2020年12月の稼働を予定している。

 第2エンジン実験棟は、愛知県による「21世紀高度先端産業立地補助金」および小牧市による「企業立地促進補助金」に選定されている。

 世界の自動車市場は新興国での需要増加により拡大を続けており、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む内燃機関車の市場は、2025年~2030年段階でも現状を上回る年間1億台規模で推移する見通し。地球環境保全の観点から普及加速が見込まれているHEVやPHEVは優れた燃費性能を有しているが、エンジン駆動に切り替わった直後に発生する有害成分の低減が求められている。日本ガイシはHEV・PHEVの車載電源を利用して排ガス浄化用触媒を予熱し、浄化性能を高める新製品としてEHCの開発に力を入れている。第2エンジン実験棟の稼働により開発を加速し、2023年以降の小規模量産開始を目指す。

 日本ガイシは現在、世界9カ国11工場(2019年12月に12工場目が稼働予定)で自動車排ガス浄化用セラミックスを生産している。出荷実績は世界の自動車・トラックのおよそ2台に1台は搭載されたことに匹敵し、世界の環境保全に貢献している。日本ガイシは今後も、厳しさと広がりを増す自動車排ガス規制をクリアする製品の開発と実用化に取り組み、地球環境保全と省エネルギーの実現に貢献していく。

<第2エンジン実験棟概要>

所在地:愛知県小牧市大字二重堀字田神1155番地(小牧事業所内)

建築面積:約2,000㎡

延床面積:約4,000㎡

用途:自動車の燃費・排ガス規制強化に対応した次世代自動車排ガス浄化用製品の開発・評価

投資額:約60億円

稼働開始:2020年12月

 ニュースリリース