東芝機械が7月31日に発表した2020年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注高は、284億3千7百万円(前年同期比21.5%減)、売上高は、257億1千5百万 円(同3.2%増)となった。利益面は、営業損失は3億8千8百万円(前年同期は営業損失 3億2千4百万円)、経常損失は4億1百万円(前年同期は経常損失1億6千4百万円)、親会社株主に帰属する四半期 純損失は4億4千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1億8千4百万円)となった。
■経営成績に関する説明
4~6月期における世界経済は、海外の通商政策の動向、中国経済の減速継続、世界的な地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続いている。国内経済も世界経済減速の影響を受けて、輸出や生産には弱さが見られた。東芝機械グループが属する機械業界も、国内の設備投資は、中国経済の減速による輸出低迷を背景に慎重な姿勢が見られ、海外は対象とする市場や製品により景況感に差異が生じている。
このような経済環境のもとで、東芝機械グループは新中期経営計画「Revolution E10 Plan」を2019年4月1日からスタートさせた。「機械メーカーの総合力を最大限活かして成長し続けること」を基本指針とし、早く、激しく変化する時代において勝ち残り、成長するために従来の考え方や仕事の進め方を大きく変えて、収益力向 上への変革を目指していく。その上で、体質改善、商品力の共有と強化、成長投資による企業価値の向上に向けた諸施策に取り組み、「新たな産業を創造する力」でお客様と共に価値を創る「価値共創メーカー」へと進化していく。
■セグメント別の概況
<成形機事業>(射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など)
射出成形機は、国内外で自動車向けを中心とした設備投資が軟調に転じて、販売と受注が減少した。ダイカストマシンの販売は、国内、北米、東南アジアの自動車向けが堅調に推移したが、受注は、東南アジア向けの需要が継続するに留まった。押出成形機の販売は、国内の造粒機や食品容器および光学用シート・フィルム製造装置を中心に増加した。受注は、中国の二次電池向けシート・フィルム製造装置の需要調整が継続し、減少した。
この結果、成形機事業全体の受注高は、184億4千3百万円(前年同期比26.4%減)、売上高は、168億2千8百万 円(同0.2%減)、営業利益は、1億4千9百万円(同3.7%増)となった。
<工作機械事業>(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤、精密加工機など)
工作機械の販売は、国内の産業機械や建設機械向け、北米の航空機向け、東南アジアの産業機械向けを中心に増加した。受注は、国内、北米、中国の建設機械向けは堅調に推移したが、産業機械向けの減少を受けて、軟調に転じた。精密加工機の販売は、国内の自動車用光学金型向けや中国の光学およびスマートフォン金型向けに堅調に推移した。受注は、国内のレンズ金型加工や自動車の光学部品金型向けおよび中国のスマートフォン金型向けに堅調に推移した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は、75億1千6百万円(前年同期比8.7%減)、売上高は、67億8千4百万 円(同31.1%増)、営業損失は、1億4千6百万円(前年同期は営業損失6億8千2百万円)となった。
<その他の事業>(産業用ロボット、電子制御装置など)
産業用ロボットの販売は、国内の自動車関連業界等の自動化関連設備向けが軟調に転じ、国内外とも調整局面が続いている。受注は、全体は軟調ながらも、東アジアを中心とした電子デバイス・スマートフォン等の組立自動化設備向けが、回復傾向にある。
この結果、その他の事業全体の受注高は、24億7千8百万円(前年同期比15.9%減)、売上高は、28億5千8百万 円(同20.9%減)、営業損失は、4億8千9百万円(前年同期は営業利益3億3千万円)となった。
■2020年3月期の見通し
2020年3月期の見通しについては、売上高1,220億円(前期比3.9%増)、営業利益53億円(同38.2%増)、経常利益63億円(同13.0%増)、親会社株主に帰属 する当期純利益44億円(同7.9%増)と前回予想を据え置いている。
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