住友重機械工業が7月31日に発表した2020年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注高は、精密機械、建設機械、船舶及び環境・プラントの部門で減少し、前年同期比16%減の1,918億円、売上高は、機械コンポーネント、精密機械及び建設機械の部門で増加し、前年同期比1%増の2,042億円となった。損益面は、精密機械部門を除く全ての部門で減少し、営業利益は前年同期比21%減の135億円、経常利益は前年同期比22%減の133億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比18%減の89億円となった。
■経営成績に関する説明
4~6月期の経営環境は、国内は、企業業績が高い水準で底堅く推移しているものの設備投資に対してはやや慎重な姿勢が現れ、海外は、米国は景気が着実に回復しているものの製造業では通商問題の影響などが見られ、中国では景気に緩やかな減速傾向が現れるなど、世界的な機械需要は調整局面を迎えることとなった。また、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び円高の進行など依然として不透明感が残る状態であった。このような経営環境のもと、同社グループは「中期経営計画2019」を推進し、設備や研究開発などの成長投資の積極的実施、CSRの積極推進などの重点施策を推進した。
なお、前期に公表した同社及び同社グループ会社における製品及びサービスに関する不適切な検査等については、事態を厳粛かつ真摯に受け止め、再発防止策を確実に実施し、品質管理とコンプライアンスの一層の強化を図り、信頼回復に全力を挙げて取り組んでいく。
■部門別の状況
<機械コンポーネント部門> 中小型の減・変速機は国内や欧州の需要が減少したが、Lafertグループ(Lafert S.p.A.等)を連結子会社化したことから受注、売上ともに増加した。この結果、受注高は341億円(前年同期比11%増)、売上高は319億円(同18%増)、営業利益は19億円となった。
<精密機械部門> プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連や、国内及び欧州の需要が減少したことから受注、売上ともに減少した。その他精密機械事業は、極低温冷凍機及び半導体関連は堅調に推移したものの全体では受注は減少し、前期からの受注残があったことから売上は増加した。この結果、受注高は425億円(前年同期比17%減)、売上高は419億円(同3%増)、営業利益は34億円となった。
<建設機械部門> 油圧ショベル事業は、アセアン地域の需要が低下したことなどから受注、売上ともに減少した。建設用クレーン事業は、国内や北米地区の需要が減少したことなどから受注は減少したものの、受注残があったことから売上は増加した。この結果、受注高は706億円(前年同期比7%減)、売上高は前年同期並みの712億円、営業利益は58億円となった。
<産業機械部門> 運搬機械事業は、電力、鉄鋼向け需要が堅調であったことから受注は増加したが、受注残の客先向け納期の関係で売上は減少した。その他産業機械事業は、産業用タービンの増加で受注は増加したが、鍛造プレスなどの受注残の減少により売上は減少した。この結果、受注高は204億円(前年同期比12%増)、売上高は182億円(同12%減)、営業利益は6億円となった。
<船舶部門> 船舶市況は引き続き低迷しており、当第1四半期は前年同期と同様に新造船の受注はなかった。また、引き渡しについては、前年同期は1隻だったが当第1四半期はなかった。この結果、受注高は44億円(前年同期比34%減)、売上高は95億円(同2%減)、営業利益は6億円となった。
<環境・プラント部門> エネルギープラント事業は、国内で前年同期にあったバイオマス発電設備の大型案件が当第1四半期はなかったことなどから受注、売上ともに減少した。水処理プラント事業は、排水処理装置案件や廃棄物処理設備補修案件を受注したことなどから受注は増加したが売上は減少した。この結果、受注高は178億円(前年同期比59%減)、売上高は300億円(同7%減)、営業利益は9億円となった。
<その他部門>:受注高は20億円(前年同期比16%増)、売上高は16億円(同3%減)、営業利益は3億円となった。
■2020年3月期の見通し
2020年3月期(2019年度)連結業績は、売上高9,050億円(2018年度比0.2%増)、営業利益720億円(同4.3%減)、経常利益690億円(同5.0%減)、親会社株主に帰属する2018年度純利益460億円(同)0.8%増と、2019年5月8日公表値を据え置いている。
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