クボタ、北米に自社最大馬力帯のトラクタ投入、大型市場で事業展開を加速

 ㈱クボタは7月31日、同社最大クラスの高馬力帯トラクタ「M8シリーズ」(190馬力、210馬力の2モデル)をラインナップに追加、2020年春シーズンより北米で販売を開始し、北米・大型トラクタ市場での事業展開を加速すると発表した。

 当該トラクタは、2015年に販売開始したM7シリーズ(130~170馬力)の特長を引き継ぎながら、さらなる高馬力で作業の幅を広げ、より多くの顧客のニーズに応えることができる。カスタムOEM相手として新たに戦略的パートナーシップを結んだBuhler Industries Inc.社(ビューラー社、本社:カナダ マニトバ州ウィニペグ)に開発・製造を委託し事業運営していく。

 クボタは人類の生存に不可欠な「食料・水・環境」の分野で事業を展開し、社会の発展に寄与してきた。特に農業機械事業では日本およびアジアの稲作市場、欧米の野菜・果樹市場、牧草を含む畜産市場において事業を拡大しており、SDGsに掲げられる世界的な食料問題の解決に貢献している。

 食料問題への一層の貢献および、当社の中長期的な事業拡大には、大型農機市場の攻略が必須。現在、重点戦略市場と位置付けて、事業展開を進めている。

 M8シリーズの開発・生産には、北米で大型トラクタの設計・製造・販売の実績があるビューラー社をパートナーに迎えた。同社の持つ事業ノウハウを存分に生かし、開発期間の短縮と現地仕様への最適化を図る。

 近年、大型農機市場への本格参入に向けた準備を着実に進めており、2012年にノルウェーの大型トラクタ装着用作業機器メーカー、Kverneland ASを(クヴェルネランド)買収した。2014年にはフランスに大型トラクタ製造事業会社、Kubota Farm Machinery Europe S.A.Sを設立し、さらに2016年には北米でトラクタ装着用作業機機器を幅広く扱うManufacturing, Inc.(グレートプレーンズ・マニュファクチャリング)を買収した。ここにビューラー社とのパートナーシップを加え、北米の大型農機市場開拓を加速していく。

 <主な特徴>

1.操作容易性:農機の大型化に伴い、高性能作業機の操作や精密農業関連の機器類の取り回しなど、操作の複雑化が進んでいる。クボタ独自のアームレスト一体型の操作盤及び、タッチスクリーンモニターをM7シリーズから継承し、「使いやすさ」と「分かりやすさ」を追求した。

2.長時間作業での快適性:360°の視認性を確保したワイドキャビンとオペレーターの好みにあわせた多彩なシートバリエーションの採用により、長時間作業でもストレスフリーなオペレーション空間を実現した。

3.高出力エンジン:大型農機市場において豊富な実績を誇るCummins社製6.7リッターエンジンを搭載。190馬力・210馬力の高出力を発揮すると共に、EPA Tier4 Final排ガス規制(※1)にも対応している。

4.デザイン:先進性と力強さを兼ね備えたM7シリーズとファミリールックのデザインを採用した。

※1 EPA(Environmental Protection Agency、米国環境保護庁)は、市民の健康保護と自然環境の保護を目的とするアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。Tier4 Finalはディーゼルエンジン排ガス規制のレベルを表す。

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