TOYO TIRE、約488億円投じセルビアに欧州の拠点生産工場を建設

・2022年1月稼動・23年に年産500万本へ

 TOYO TIREは7月30日、乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤの生産能力を増強するため、セルビア共和国にタイヤ生産子会社を設立し、同国インジア市内にグループ 8 拠点目となるタイヤ生産工場を新たに建設、操業すると発表した。2020年5月に建築工事を着工し、2022年1月よりタイヤ生産の稼働を始め、2023年夏には年産約500万本(乗用車用タイヤ換算)のタイヤ生産体制を確立する計画。

 TOYO TIREは、差別化された付加価値の高い製品をよりスピーディー、かつグローバルに供給していくことで、事業ステージをさらに高めていくことを志向している。また、2020年以降の持続的成長を見据えた中期経営計画「中計’17」のなかではタイヤ生産体制の増強に取り組むとともに、新たな生産供給拠点の検討を行ってきた。

 これまでロシアを含む欧州市場に対し、国内工場、マレーシア工場からタイヤの輸出供給を行ってきたが、今回、セルビア共和国に置く新生産拠点がこれらに代わってその主要な役割を担っていく。これにより、製品出荷時の関税面・物流面でのメリットを実現するとともに、グローバルにおけるタイヤ生産供給体制の増強とさらなる最適化を図る。

 新工場にはIoT(MES*1)を導入し、自動車の最先端情報が集まる欧州でより洗練された最新鋭のスマート工場の確立を図る。これらによって、高品質と低コストを両立した競争力のある新しい次元のモノづくりに挑戦し、高品位な乗用車用、ライトトラック用タイヤを、欧州市場内外に向けて供給していく予定。

 *1:MES:製造実行システム。Manufacturing Execution Systemの略。

 セルビア共和国は、比較的低位な賃金水準で質の高い優秀な人材を有しているほか、近年の経済改革や財政健全化、外資企業の相次ぐ投資による自動車産業の集積化、日本との二国間関係強化といった進展が顕著であり、欧州の中でもひときわ魅力あるビジネス環境が整ってきている。

<タイヤ生産工場の概要>

建設予定地:セルビア共和国 ヴォイヴォディナ自治州 インジア市

敷地面積:約60万㎡(約150エーカー)

生産能力:年産500万本(乗用車用タイヤ換算)

従業員数:約500名

投資額:約488億円(390.5百万ユ-ロ)

生産品目:乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤ

<タイヤ生産子会社の概要>

名称:未定

所在地:セルビア共和国 ベオグラード市

代表者:未定

事業内容:乗用車用、ライトトラック用ラジアルタイヤの製造・販売

出資比率:TOYO TIRE 100%

資本金:200億円(160百万ユーロ)

*名称、代表者については、決定次第開示予定。

<日 程>

TOYO TIRE取締役会決議日:2019年7月30日

子会社設立年月日:2019年9月(予定)

工場竣工日:2022年1月(予定)

生産開始:2022年1月(予定)

 ニュースリリース