ファナック、2020年3月期第1四半期売上は26.4%減、業績予想も下方修正

 ファナックが7月29日に発表した2020年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高が1,346 億34 百万円(前年同期比26.4%減)、経常利益が320 億63 百万円(同47.2%減)、四半期純利益が232 億82 百万円(同47.9%減)となった。

 なお、部門別の売上高については、FA 部門が435 億1百万円(前年同期比28.5%減)、ロボット部門が471 億3百万円(同19.5%減)、ロボマシン部門が220 億83 百万円(同47.4%減)、サービス部門が219 億47 百万円(同2.2%増)だった。

 ファナック2020年3月期第1四半期データ

<FA部門> CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、米中貿易摩擦の影響により中国、台湾において需要が落ち込んだほか、韓国も内需の減速を受け、低調に推移した。欧州についても、中国向け輸出産業(主に自動車関係)で設備投資抑制の動きがあるなど減速傾向となっている。日本国内は、設備投資の一服感と中国向けを中心とした輸出の減速により、好調だった前年同期に比べると売上は減少した。レーザについては、国内、海外において引き続きファイバレーザ発振器の拡販に努めた。これらの結果、FA部門全体の売上高は前年同期に比べ減少した。

<ロボット部門> 国内は自動車産業、一般産業ともに、設備投資は比較的高い水準で推移したものの、米州の自動車産業において設備投資の谷間が続いたほか、中国でも、自動車産業、一般産業とも、設備投資に慎重な動きが続きました。これらの結果、ロボット部門全体の売上高は前年同期に比べ減少した。

<ロボマシン部門> ロボドリル(小型切削加工機)は、自動車部品関係を中心に拡販に努めたものの、IT関係の一時的需要分が残っていた前年同期と比べると売上は落ち込んだ。ロボショット(電動射出成形機)については、自動車部品、医療市場向けに拡販に努めたが、売上は過去最高だった前年に比べると減少した。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)についても、中国を中心に売上が減少した。

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 ファナックは、将来を見据え、短期的な事象に左右されず、長期的な視点に立った経営を続けるべく、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービスファースト」をスローガンに掲げ、商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制を顧客が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進している。またIoT への対応として、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system (FANUC Intelligent EdgeLink and Drive system) の機能拡張およびアプリケーション(パートナー企業製を含む)の充実を図るとともに、AI 技術の当社商品への適用等を進めている。同時に、商品競争力の強化、セールス・サービス活動の強化、工場の自動化・ロボット化、業務の合理化に力を入れている。

■2020年3月期連結業績予想を修正

 2020年3月期の連結業績については、国家間等の貿易摩擦の影響を含む各国の関税政策や為替動向などの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くとして業績予想を修正。売上高は5,242億円(前回予想:5,369億円)、営業利益713億円(同:757億円)、経常利益810億円(同:847億円)、当期純利益603億円(同623億円)とした。

 ファナックの2020年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料