鹿島、ロックボルト打設専用機を仏メーカーと共同開発

   鹿島建設は7月17日、フランスの機械メーカーであるRobodrill(ロボドリル、本社: Genas)社と共同で、山岳トンネル工事におけるロックボルト工の穿孔からモルタル注入、ロックボルト挿入までの一連作業を完全機械化するロックボルト打設専用機を開発、高知県で施工中の日下川新規放水路工事に適用したと発表した。

 この専用機の適用により、作業員の肉体的負担の大きいロックボルトの挿入作業が減り、肌落ちの危険性のある切羽近傍での作業がゼロになる。また、ガイダンスシステムを搭載しているため、従来、人力で行っていた座標測量が不要となり、人員の削減、測量時間の短縮につながる。そのため、安全性の向上に加え、生産性、品質のより一層の向上も期待できるとしている。

 鹿島は2018年、人力作業が主体のロックボルト工の機械化第一弾として、大狩部トンネル工事(北海道新冠郡)において、モルタル注入とロックボルト挿入作業の機械化施工を実現。その後、安全性の確保、生産性および品質の向上を目的にさらなる機械化の進展を図り、最終的にはロックボルト工全般の自動化を目指して開発を進めている。今回は機械化の第二弾として、穿孔、モルタル注入、ロックボルト挿入までの一連の作業を、1本のブームで連続して行うことができる専用機を開発した。

 今後、鹿島は同専用機を山岳トンネル工事に積極的に展開していくとともに、ロックボルト工の自動化に向け、ロックボルト工打設専用ブームのフルオート制御や、モルタル自動計量注入システムとの連動などを図り、より一層の施工の安全および効率化を目指す。さらには、ロックボルト工も含めたトンネル掘削全般の完全自動化の実現に向け、技術開発を加速していく。

<工事概要>

工事名:平成29-32年度 日下川新規放水路工事

発注者:国土交通省 四国地方整備局 高知河川国道事務所

工事場所:高知県高岡郡日高村

工期:2018年1月~2021年3月

施工者:鹿島建設株式会社

工事諸元:NATM、トンネル延長2,850m、幅員7.0m、掘削断面積55㎡

 ニュースリリース