日立造船グループ、ロシア・モスクワ向けごみ焼却発電プラント設備をAGC1社から受注

 日立造船は7月12日、同社の100%子会社で、ごみ焼却発電プラントの設計、建設、保守などを手がけるHiachi Zosen Inova AG(スイス)とエンジニアリング会社PJSC ZiO-Podolsk(ロシア)のコンソーシアムが、ロシア・モスクワ向けごみ焼却発電プラント設備(ストーカ式焼却炉:70万トン/年(3炉)、発電出力:75MW)を、Alternative Generating Company-1 LLC(ロシア、以下、AGC1)から受注したと発表した。

 この案件は、モスクワ政府が主導するごみ焼却発電プラント建設計画の一部。ごみ焼却発電プラントを建設するために設立されたSPC(特別目的会社)であるAGC1から、ごみ焼却発電プラントの主要設備であるごみクレーンや火格子、排ガス処理設備等の設計、機器供給、据付・試運転時のSV派遣業務(技術指導)等を同コンソーシアムが受注したもの。

 また、今回の契約では、今回受注したプラントとは別のサイトで建設される3プラントでも同じ業務所掌で同コンソーシアムが請け負うことをAGC1と合意している。

 日立造船グループは、日本や欧州、アジアなど、世界で約1,000プラントの納入実績を有しているが、ロシアでの受注は初めて。現在計画されている4プラントが稼働すれば、約280万トン/年のごみの焼却処理と約150万人の消費電力を賄うことが可能となる。

 近年、ロシアではごみの埋立処理が問題となっており、ごみの衛生的処理と発電の両面からごみ焼却発電プラントの建設が期待されている。今回の受注は、ロシアのごみ処理と電力供給に大きく貢献するものであり、日立造船グループの実績と技術が高く評価されたもの。

 これまで、日本や欧州の一部を除き、世界におけるごみ処理の大部分は埋立処理が中心だったが、環境意識の高まりや経済発展による廃棄物処理量の増加などにより、ロシアのほか、中国や東南アジア、インドなどでごみ焼却発電プラントの需要が高まっている。

 ごみ焼却発電プラントは海外ではEfW(Energy from Waste)プラントと呼称されているが、日立造船はごみ焼却発電プラントの普及を通じ、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)達成や世界の環境問題解決に積極的に取り組んでいく。

<受注概要>

発注者:Alternative Generating Company-1 LLC

最終需要家:モスクワ政府

建設地:ロシア連邦モスクワ市近郊

施設規模:ストーカ式焼却炉:700,000トン/年(3炉)、発電出力:75MW

 ニュースリリース